「能力がないのに出世する人」は絶滅しない
日本の年功序列システムの会社や団体では、余程のヘマでもしない限りはある程度のところまでは出世させてもらえる仕組みがありました。
中間管理職レベルでは、「能力がないのに出世した人」はゴロゴロいたと思います。まぁ「出世」と呼べるほどの地位ではないかもしれませんが。
現場で働かせると有能な人間を昇進させて、無能な中間管理職にしてしまうこともあります。いわゆる「ピーターの法則」です。
それ以上の高い地位・役職へは結果を出した人だけが出世しますが、その結果を出したやり方が全く通用しない立場に就かされることもあります。
セブン・ペイ社長の事例
経理畑や営業畑で結果を出した人間を、技術畑のトップにつければ結果を出せるかというと、それが難しいのは誰でも分かります。
でも、IT系の子会社のトップに立たせてしまう事例での大失敗がありました。セブン・ペイの事例です。
子会社だからトップは腰掛けでもいいイメージだったのかもしれません。まるで全く畑違いの分野の大臣になった国会議員のようでした。
官僚が作ったペーパーを読むのすら全く理解せずに棒読みしている感じの大臣です。
国務大臣という地位ですら「能力がない人」が立ってしまうのですから、企業も同じことが起きるわけですよねぇ…
ただし、セブン・ペイの場合は上から締め切りを決められて無理な開発をやっていたようなので、被害者という側面もあります。
失敗しなかった人が上に立っている?
さらに日本の大企業のトップに立っている人達で「能力が足りない」と感じるのは、大胆な決断力・判断力とそのスピードです。
大胆な決断をして失敗をした人は出世レースから落ち、大きな失敗をしなかった人が残った結果でしょうか。
決定までに時間がかかるのは、組織の仕組みが慎重に慎重を重ねる形になっているからですけどね。
失敗を嫌うトップが自分の部下に選ぶ時、無難な人事をしてしまう構造になっていたら、企業全体として大胆なことができなくなってもしょうがありません。
だから外国人労働者を入れるよりも、有能な外国人経営者を入れるのが先だと思うわけです。