世帯年収1000万円の現実
「世帯年収1000万円」と聞くと、生活費にあえぐ家庭からすれば”高額所得”であり、羨ましいものだ。しかし、当事者からしてみると「実際には富裕層というほどではない」と抵抗感を示す人は多い。
世帯年収が1000万円と言っても、当然1000万円を自由に使えるわけではありません。
手取りにすると700万円台ですから、都内で家族4人が暮らしていく可処分所得としては決して多くはありませんね。
住宅費の安い地方ならまだしも、都内で年収の5倍レベル(=5000万円)の家を買ってローンを組んだら、返済がかなり大変でしょう。
都内でもかなりの郊外か周辺の県から長距離通勤すれば生活は楽になるかもしれませんが、毎日の通勤で苦しむだけですし。
新型コロナの外出自粛でテレワークに切り替えられた人はラッキーだったかもしれませんが、また元に戻りつつあるようです…
ただし資産は築けている
手取り700万円台だからといって、それを全部消費にまわす家庭も少ないでしょう。
住宅ローンを組んでいる人もいれば、子どもの今後のために、あるいは自分の老後の生活のために貯蓄をするのは当然のこと。
さらに、住宅ローンで支払うお金が高くでも、それは資産になります。家の資産価値はゼロに近くても都内なら土地代がかなりになり、大きな資産です。
年収と手取りの差額は全て「税金」ではなく、サラリーマンなら収入に応じて保険料が増える「厚生年金保険料」も入っています。
厚生年金の2階部分=報酬比例部分に関しては、現役時代にたくさん払っていれば、将来受け取る額が増えます。これもまた一つの資産です。
年収1000万円で家族がいて都内に住んでいると、贅沢できるほどの生活はできないと思いますが、先々の安心感はぐっと増すのかと。
がっつりと退職金が見込める企業・職種ならなおさらですね。
不確実性が高くなっている時代
世帯年収が多い方が安心感があるのは間違いありませんが、新型コロナの影響で不確実性が高まった企業・職種も多いと思います。
それに備えて貯金をしておくことも重要だし、贅沢・浪費生活をせず普段から質素倹約を心がけていた方が、危機の時に対応しやすいです。
少しくらい年収が高くても、そうそう派手に贅沢できるものではないですね。