自称「天才編集者」は何が天才的だったのか?
要するに、著者同士で褒め、信者のような人たちに褒めさせて権威付けして、ランキングによって売れてる感を演出すると。
昔からあるサクラに行列を作らせて人気店のように見せる手法から大してかわってない、古典的な手口と言えるかな。
映画業界では最も都合のよいランキング成績を持ち出して「1位!」と宣伝するものだし、アマゾンや食べログなどの口コミ点数はお金で買おうとするお店が跡を絶ちません。
買う側がランキングや評判・口コミ、さらには権威付けに弱いからこそ皆手を出してしまうのでしょうね。
「天才編集者」と言うと、中身のある本を作るイメージになりますから、ちょっと違和感があります。
この手法で売れる本を作っているのなら「天才マーケター」の方がしっくりくるかな。倫理的にはあまり褒めくない手法ですけど。
このあたりの指摘は、ちょうど2年前にAmazonレビューでもされていたようです。
「出版不況」だからこそ注目が集まる
売れる編集者が注目を浴びたのは、逆に言うと今は本が売れない「出版不況」の時代だからでしょうか。
良い本を出せば売れるというほど簡単なものではなく、売るためにはあの手この手が必要な時代です。
その手法で良くない本ばかり売れては、一時的には良くても長期的には結局出版不況へ向かうだけですけどね。
自費出版ビジネスに頼るのもヤバい
出版不況から出版社が手を染めている手法の一つが自費出版ビジネスです。
全てが詐欺的ではないと思いますが、結構詐欺的にやっているものも多いです。
著者の自費で本を作るので、出版社としてはリスクがない。出版社の力で本屋に並べさせるというメリットはあると思いますが、どこまで本気なのか?
本当に売れると思える本だったら、出版社がリスクを取って売るはずなんですよね。
出版社は自らの首を締めてるような印象ですねぇ。
新型コロナまん延による新しい生活様式によって、読書をする人を増やすチャンスだと思います。
だからこそ、良い本を出すことにもっと注力した方が良いのではないかと…