「素手で便器掃除」が称賛される日本
さらに驚くのは、日本では素手でのトイレ掃除が「精神も磨かれる」とか「日本を美しくする」などとちょっぴり右翼的な思想ともつなげられることが少なくないことです。その思想自体は自由かもしれませんが、学校でやることではないと思います。
日本の学校が軍隊的な要素が残っている理由の一つは、戦前の日本で官立・公立の旧制中学校以上で「学校教練(軍事教練)」が行われていたことではないかと。
1925年から終戦まで、学校自体が兵士を要請する場所だったわけです。
終戦直後、武道の授業は一旦中止されていましたが、私の高校時代には剣道と柔道の選択でどちらか必修になっていました。(今はダンスも選択可? 中学でも必修化?)
とある武道を禁止している宗教を信仰している生徒は、剣道場で正座をして見学をすることで単位をもらえていましたけど。
ちなみに、今の時代はサイバー戦争を想定して、ネットのセキュリティについて学ばせた方がいろんな意味で効果的ではないかと。
新型コロナ感染防止を「変える機会」に
授業の剣道は、防具を使い回すので汗臭いのをつけるのが嫌だとよく言われていました。
逆に言うと、新型コロナの感染しかねないので、もうやらない方がいいですね。そもそも武道の授業の必要性を感じないので、私はそう言っちゃいますけど。
武道で精神を鍛えられて今の自分があると感じている人は、生存バイアスで「武道は精神が鍛えられる」と反論すると思います。
柔道は事故が多い種目ですし、武道のメリット以上にデメリットが多いことをもっと考えるべきでしょう。
もちろん、柔道で組み合うと新型コロナの感染を広げかねないので、学校の授業でやるべきではありません。
水泳の授業を取りやめている学校もあり、マスコミは子どもたちの「残念」という声を伝えますが、中にはホッとしている子どももいるでしょう。
学校の管理下における水泳中の死亡事故も無くなっていないので、この際辞めてもいいんじゃないかと。
トイレ掃除は専門の業者に任せよう
トイレは最も感染を広げる場所になりかねないので、学校再開後も掃除は先生がするなどの対策されているようです。
素手でのトイレ掃除なんて感染症を広げましょうと言わんばかりの行為ですし。
トイレ掃除を学校教育の一貫とするのは「つらい思いをすると、精神が鍛えられる」が日本の教育の根底にあるのですかね。
「苦労は買ってでもしろ」という思想です。他にも困難はあるのだから、わざわざ買ったり、トイレ掃除という形で押し付ける必要は感じません。
でも、これもいい機会だから学校のトイレ掃除は専門の業者に任せた方がいいでしょう。
そこにお金を付けられるかどうかですけど、コロナ対策の公共事業だと思えば安いものです。