「高学歴は就職に有利」は本当?
「学歴」には、高卒・大卒・大学院卒と言った大枠の「教育歴」と、大学の偏差値で分けた「大学歴」とがあります。
民間企業の募集要項に「4年制大学、大学院を卒業・修了(見込)の方」と書いていても、それを「学歴差別」「学歴フィルター」という人はいないでしょう。
「学位」という「資格」を必要とするという意味でしかありませんから。
でも、出身大学で判断されるのは「(大)学歴差別」「学歴フィルター」だと不満が出てしまう。
元々の意味の「学歴」と、大学(の入試偏差値)で分けられる「大学歴」を区別した方がいいと思うんですけどねぇ。
専攻も資格の一種
また、学位も専攻(学部)によって分けられます。
工学部の大学卒なら「学士(工学)」、大学院卒なら「修士(工学)」等ですね。昔は「工学修士」や「工学博士」と言っていました。
特定の技術を求める職種では、単なる大学卒ではなく、学部・学科を指定するのも当たり前のこと。
元の記事の「全国549大学の就職偏差値」で、工学系の大学が上位に並んでいるのもそのためでしょう。
ただし、記事で全く触れられていないのは、工学系大学では就活の多くが推薦によって行われていることです。
それもまた「学歴フィルター」ですが、修士卒の場合は研究内容でも判断できるので、単純な大学歴ではなく、「大学での学業・研究実績」であるのが違う点です。
逆に言うと、日本の就活が大学3年時点から始まることもあって、学業を軽視した結果、入試時点の偏差値に重きが置かれてしまっているということでしょう。
理系だと留年が多いので、大学3年時点で「卒業見込み」と言えることが疑問なんですけどね。
入試偏差値でしか見ていない
一方で、博士になると就職が難しくなるという日本の事情もあるので、「高学歴は就職に有利」と言われてもピンときません。
やっぱりここでの「高学歴」とは、大学入試における偏差値を指しているのだと思います。
人文系学部だと、大学院卒(修士)ですら就職がうまくいかない現実もあるようですし…
工学部の単科大学と、総合大学の全学部ひっくるめての数字をランキングで並べると正しい数字が見えてこないので、せめて学部別にすべきでしたね。
さらに学士・修士・博士で分けると、もっと違ったものが見えてくるかもしれません。