「気づけば独身中年」何もない自分に愕然
時間を有効に活用して、人生や生活を充実させるにはどうしたらいいのか。文筆家の御田寺圭さんは「自己研鑽や婚活、キャリアップのために時間をつくらねばという気持ちを抱きつつ、家と会社の往復、帰宅後は動画を見ながらリラックスという日々が快適すぎて、気づけば中年になって“何もない”自分に愕然とする人も少なくない」という――。
ネットとSNSにどっぷり浸かった生活を送って「気づけば独身中年」…あ、私のことですね。
といっても、SNSが普及したのはスマホが普及したこの10~15年のことで、未婚率が28.25%にまでになっている現在の50歳前後の男性は、SNSやサブスクに浸かる前に独身中年の域にさしかかっていました。
未婚者が増えている要因の一つに、ネット・SNSや単身者が生活しやすい日本の環境があるとは思いますが、それ以上に大きな要因は「お金(収入)」ですからねぇ…
自己研鑽・婚活・キャリアアップのために時間を作りたくても、長時間労働で作れない人も多いし。
外に出るとどうしてもお金がかかるから、相対的に安く楽しめる「内向きの娯楽コンテンツ」へとシフトしたのも、結局お金が最大の要因。
「ネットとSNSは社会の毒物」
結局、ネットとSNSを楽しんでいるうちに気づけば中年になっていた、よりも、気づけば中年になっていた人が、その現実から目を背けて浸かるのがネット・SNSではないかと。
だからこそ「現代のアヘン」などと呼ばれるわけで、中国政府は規制に動き出しているらしいですね。
「タンピン族(寝そべり族)」が生まれた中国にも言えるかもしれませんが、自己研鑽やキャリアアップに向かわせたいのであれば、それによって得られるものがはっきり目に見えるようにしないと。
自己研鑽したとてそれが収入に反映されるかどうかわからない、であればモチベーションを失います。
その現状を下から変えようとするエネルギーを失わさせているのが、ネット・SNSであるとも言えますが…
働く活力のないセミリタイア生活にはありがたい存在
充実しすぎた「内向きの娯楽コンテンツ」に若い人が浸かりすぎるのは、社会全体にとってマイナスかもしれません。
しかしながら、私のようにもはや働く活力がなくセミリタイア生活を送る人間にとっては、「暇を持て余す」ことがない、ありがたい存在です。
「現代のアヘン」にどっぷり浸かったセミリタイア生活、との自覚は持っておいた方がいいんでしょうけどね…(運動不足にならない程度には)