未婚男性の死亡年齢中央値は67歳?
平均寿命は男性よりも女性の方が長いというのはよく知られた事実です。
そして配偶関係でも寿命に差がある(ただし男性が顕著)ことも最近はよく知られるようになりました。
荒川和久氏が2020年人口動態調査の15歳以上の配偶関係別死亡者数のデータから算出したデータによると、未婚男性の死亡年齢中央値は67.2歳としています。
これでは「未婚男性の多くは年金払い損」と考えてしまいますね。
ただこれは今の高齢者、おそらく戦前生まれの人も含んだデータだと思います。独身のまま戦死した世代、戦争の影響で早く死んだ世代も含んでいるかと。
ですから戦後生まれのデータはもっと差が小さくなるはずです。
ちなみに「有配偶<死別」になるのも統計上必然で、短命の人は配偶者より先に死に、長生きした人は配偶者に先立たれてしまいますからね。
独身者の寿命が短い要因
男性は「離別<有配偶」も顕著なので、独身男性の寿命が短いと言えそうです。
そこから推察できる寿命が短い要因は「生活習慣」でしょう。特に食生活・酒・タバコなどですね。
未婚男性の場合は、低収入がさらにその原因になると考えられます。さらに「孤独」というストレス要因も影響しているかもしれません。
今はおひとりさまでも暮らしやすい世の中になったとは言え、生活習慣は自分で気をつけてないといけないものですからね。
未婚男性は寿命を何歳くらいと見積もればいいだろう?
時代が変わったとは言え、男性の死亡年齢の「未婚<有配偶」「離別<有配偶」という傾向は変わらないと考えられます。
問題はその年齢差をどれくらいと見積もるかです。
荒川和久氏のデータでは、有配偶とくらべて未婚は14歳以上、離別は8歳以上という結果になっています。
今の高齢者は9割以上が結婚していたと考えると、離別者の8歳という数字の方が近いのではないかと。戦争等の影響も少ない数字ですし。
男性の平均寿命が81.47歳、50歳時点の平均余命が約33歳(83歳)と考えると、75歳まで生きる可能性が50%くらいでしょうか。
これなら国民年金ならギリギリ収益分岐点になりますかね。
本当に未婚男性がこのレベルで早く死んでいくならば、50歳未婚率が高くなっている世代が高齢者になっていく今後は、年金財政が少し改善するかもしれません。悲しい話ではありますが…