要介護度をもとに算出した「平均自立期間」
「平均寿命」とくらべ、健康でいられる「健康寿命」は10年前後短いとのデータはよく知られています。
今はまだ「人生100年時代」ではありませんが、仮に将来平均寿命が100歳になったとしても健康寿命は90歳くらいでしかないのが現実です。
一方、国民健康保険中央会が介護保険のデータをもとに算出した「平均自立期間」という指標があります。
要介護2以上を不健康とするもので、令和3年度分の平均自立期間は男性80.0歳・女性84.3歳と、平均寿命との差は健康寿命ほどではありません。
要介護1ってどれくらい?
「平均自立期間」が平均寿命に近い理由は、間違いないく「要介護度1」を自立に含めていることでしょう。
立ち上がりや歩行に「支えが必要」や「理解力の低下がみられる」でも自立している扱いですからね。
ただし「平均寿命」と「健康寿命」との差・約10年間も、ずっと寝たきり状態で過ごすわけでもないということ。
『「健康寿命」と「平均自立期間」のちがい』で解説されていますが、「健康寿命」は自己申告によるものですから。
要介護1未満を健康とした場合の「平均自立期間」も出してもらいたいですね。
男性は要介護が長い人は少ない
男性は平均寿命81.5歳に対して平均自立期間が80.0歳ですから、自立できない期間の平均は1.5年間となるのかな?
女性の3.3年間と比べて短いのは、3大成人病などで女性よりも早く死ぬことが考えられます。特に生活習慣がよくない独身男性は寿命が短いですし。
要介護期間が長く続いてしまうかもしれない、という老後の問題は、長生きしてしまう問題同様に女性の方が悩ましいですね。
いずれにせよ、元気に旅行したりスポーツしたりするのは健康寿命のうちだと思って、楽しめる間に楽しんでおいた方がいいでしょう。