生活保護制度には誤解が多い?
ネット上では、叩かれることも多い生活保護制度ですが、もしもの時にはお世話になるかもしれないものです。
まぁ不正受給だとか、生活保護を受けながら遊んでいる人を見ると現行制度に問題がないとは到底思いませんが。
しかし、万が一の時に必要になるかもしれないので、しっかり理解しておきたいものです。
働いていたり・年金を受けていたら受給できない?
働いて得る収入や年金額が「最低生活費」以下の場合は、その差額を受給できます。
まぁ国としては生活保護を受給している人が働けるには少しでも働いてくれた方がいいわけですが、働いて得たお金の分が減額されるのでインセンティブが無さすぎ。
(追記:基礎控除分はもらえるので少しは手取りが増えます。「丸々消える」と書いていたのを修正)
ここは多少の制度改革があったもいいと思いますね。
また、生活保護受給世帯で多いのがシングルマザーの家庭ですが、実は生活保護を受けながらも働いているシングルマザーは40%を超えています。
こちらは「生活保護母子世帯調査等の暫定集計結果(pdf)」からです。
生活保護費は決められた金額を受給するたけ?
世帯人数に合わせて決められた金額が「生活保護費」として払われるイメージになりがちですが、受給者に合わせた扶助費のメニューがあります。
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 医療扶助
- 介護扶助
- 出産扶助
- 生業扶助
- 葬祭扶助
通常は生活扶助・住宅扶助・医療扶助になると思いますが。
住宅扶助は実費なので、「安いアパートに住んでその分を食費に回す」なんてことはできません。住居費以外の生活費に使えるのは生活扶助費のみ。
それがわかっているので、大阪の西成などの「福祉の方」向けのアパートは、その地域の住宅扶助費きっちりの家賃設定になっています。
役所から直接家賃を受け取ることができるそうで、滞納を気にしなくていいそうです。
持ち家があったら受給できない?
売れば大金になるような資産性のある家・土地を持っている場合は受給できません。今なら売らなくてもリバースモーゲージもありますね。
ただ、現実的に売れないような家ならば、受給できます。この場合は住宅扶助は受けられません。
(追記:ある程度の金額で売れる場合も住み続けた方がいいと判断されれば住んだまま受給できます。持ち家があっても民生委員や役所に相談してみることをオススメいたします)
国としても、住める家を出てわざわざ住宅扶助費を支給するよりも安く済むわけですね。
また、状況次第で必要であれば自家用車を持つことも可能です。特別な事情が必要だと思いますが。
かつては贅沢品だったものでも、その地域で約7割の世帯で普及しているものは所持が許されるのが基本ルールです。今はエアコンなども認められているのもそのためです。
また、貯金も生活保護の目的にかなう範囲の貯金であれば認められます。
まとめ
年金を受け取っていても、家を持っていても、資産(貯金)がなく、「最低生活費」以下ならば生活保護を受けられます。
手続きは色々と手間がかかりますが、病気などで困った時には民生委員に相談してみるといいかもしれません。