乳化剤・イーストフード「不使用」の表示を自粛
全国の製パン会社などが加盟する日本パン公正取引協議会は18日、食品添加物の乳化剤やイーストフードについて、「不使用」「無添加」とする表示をやめる自主基準を設けた。
乳化剤やイーストフードなどの「添加物」はない方がいいに決まってるから、使っていない商品ならその表示をした方がいいのに、なぜやめるのか?
という短絡的に考えてしまいそうですが、その理由は、単純な「無添加」ではないから。
「イーストフードや乳化剤と同質、あるいは同一の機能を有する代替物質を使用して製造」しているからであって、「添加物表示義務を回避」しているにすぎず、結局同じもの、という山崎製パンの見解の通りになったということです。
それだけ「無添加」表示をプラスに捉える消費者が多いということなのでしょうけどね。本当の意味での無添加は、実態を見ないとなんとも言えないという事例です。
「イカサマくさい」事例は珍しくない?
この記事のタイトルの「イカサマくさい」は、「無添くら」をインターネット掲示板で「イカサマくさい」と書いた書き込みに激怒し、情報開示を求めて裁判した結果、逆に敗訴して「イカサマくさい」が評論として認められたことからきています。
その時に書き込まれた内容がこちらです。
「ここは無添くらなどと標榜(ひょうぼう)するが、何が無添なのか書かれていない。揚げ油は何なのか、シリコーンは入っているのか。果糖ブドウ糖は入っているのか。化学調味料なしと言っているだけ。イカサマくさい。本当のところを書けよ。市販の中国産ウナギのタレは必ず果糖ブドウ糖が入っている。自分に都合のよいことしか書かれていない」
「自分に都合のよいことしか書かれていない」という点では、乳化剤・イーストフードの「不使用」「無添加」表記も同じ根っこですかねぇ。
添加物は危険度と量で判断したい
「添加物表示義務」があるものを「不使用」「無添加」と強調して表示するのは、それを気にする人が多い事実があるのでしょう。
入れないにこしたことはないのは事実ですが、あまりにも「添加物」で一括りに避ける傾向には疑問を持っています。
「添加物」といっても、その危険度はピンきりで、昔から使われて安全性が高いことが確認されているものもあれば、比較的あたらしいものもあります。
もちろん昔から使われているものでも摂りすぎは危険ですから、量には要注意です。
私は危険度と量に注意していればいいと思っていますし、気にしてストレスを溜める方がずっと危険という認識です。