4月1日から年金制度が大幅改正
2022年4月1日から年金制度が大幅改正され、繰り下げ受給の減額幅が1ヶ月あたり0.5%から0.4%に縮小され、繰り下げ受給は最大75歳まで可能になります。
この変更で損益分岐点が変わる(新規に生まれる)ため、それを伝える・解説する記事やそれにまつわる記事がここ数日もたくさん見られます。
「人生100年時代」と煽られるため長生きリスクを考えたら、働ける限りは働いて繰り下げ受給を選択した方がおトク、となります。
がしかし、人間いつ死ぬかなんてわかりませんからねぇ…
平均余命で考えてみると
令和2年の簡易生命表によると、60歳男性の平均余命は24.21年(84.21歳)、65歳男性は20.05年(85.05歳)です。
男性は損益分岐点が85歳以降になる繰り下げ受給は損になる可能性が高い。損益分岐点が86歳になる75歳開始の繰り下げ受給はまさにこれ。
もちろん税金や社会保険料を考慮するとさらに繰り下げ受給の損益分岐点は先に伸びます。
独身の男性は男性全体の平均よりもさらに余命が短い現実と考えると、損益分岐点が81歳になる70歳からの繰り下げ受給でも損になる可能性が高いかも。
平均余命は男女で大きな差がありますから、夫婦世帯ならば夫は65歳から受給・妻は繰り下げ受給という大江英樹氏の提案は理にかなっているかな。
独身者は年金を貰う前に死んだら丸損
単純な損得で言うならば、独身者は年金を貰う前に死んだら丸損です。
繰り上げ受給で60歳から貰っていれば、64歳で死んでもまだ少しは取り返せてますが、65歳から貰うつもりでいたら丸損。
この損得勘定は何歳まで生きるか次第で大きく変わります。
先ずは自分の生活に必要な金額はいくらなのか、をベースにして繰り上げ・繰り下げを考えるべきです。
65歳からの受給額でも十分困らない質素な生活をしている人が、ただ損得の観点から繰り下げ受給で年金額を増やすために、受給開始まで体に鞭打って働くのもどうかと思いますし。
そこは人それぞれの生き方・必要な生活費で考えるのがいいですね。