なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか?
かつて「一億総中流社会」と言われた日本。戦後、日本の経済成長を支えたのは、企業で猛烈に働き、消費意欲も旺盛な中間層だった。
しかし、バブル崩壊から30年がたったいま、中間層は確実に貧しくなっている。
NHKスペシャル取材班の『中流危機』からの記事です。
「中間層が貧しくなっている」としていますが、5割を超える人が「中流より下」と答えているように、中間層の数・割合が減って下層が増えていると言った方がしっくりきます。
もちろん、OECDの「中産階級(Middle Class)」の定義は、「世帯所得が国の所得中央値の75%から200%の範囲内にある世帯」であるので、これが下がって中間層が貧しくなっているのも事実ですが。
病気や家庭事情で下層に落ちるケースも
続編では、それなりの会社の正社員でありながらも病気もあり思うように収入が上がらず、中層から脱落しそうな家庭について書かれています。
社会人のスタートから非正規で低収入のまま下層が増えたもありますが、病気や家庭事情(親の介護など)で一度レールを外れると下層に落ちるケースもあります。
「嫌なら正社員になればいい」と言っても、中間層でいられるポジションは数に限りがあるので椅子取りゲームでしかないのが現実で、その椅子が減ったから中間層が減り下層が増えているわけで。日本に限った話ではないと思いますが。
少子化とリンク
中間層の減少をしょうがないこと、と捉えることもできますが、その結果として結婚できない・子どもを作らない人の増加にリンクしています。
政府が少子化問題を本気で取り組むのであれば、「中間層を増やす」ことが必要なのに、それを言うことはありません。
それを言うのはやはりタブーなんでしょうかね…
財界は安く使える労働者が欲しいだけで、持続可能性なんて考えてなさそうだし。