老後に備えて「2000万円」も貯める必要なし?
「いままで投資をしたことがない人が、定年後の退職金でいきなり投資などしないほうがいいんです」
そうバッサリ斬るのは、老後資金取り崩し方法を提案している野尻哲史氏だ。
金融機関は、「人生100年時代は資産寿命と健康寿命が重要」などと長寿リスクと老後破産リスクを煽り、老後資金の運用を勧めてきます。
しかし、金融機関は大手を含めて「退職金でまとまったお金を持った人」をターゲットにして、悪く言えば食い物にしてきました。
金融機関が老後リスクを煽るのは、カモネギである投資初心者で退職金で大金を手にした高齢者を引き寄せるためと考えたほうがいいでしょう。
「投資はまとまったお金がないとできない」と思っているなら
老後資金の投資・運用はできるなら続けたほうがいいけれど、退職金をもらって始めるのは危険すぎる。
元記事中にある「年配の人ほど投資はまとまったお金がないとできないと思っている比率が高い」というのは昔の株取引の感覚なのでわかります。
かつては単元が1000株ばかりで取引には100万以上必要な会社も多かったイメージがありました。
昔の投資のイメージを持っている人と、金融機関の狙い・裏側を読めない人は、退職金をもらって投資を始めるのは絶対にやめたほうがいい。
と言っても、そういう人はネットなどで色んな情報(特にマイナスの情報)を目にすることなく、大手金融機関の言うことだから間違いない、と信じて投資するのかも…
「資産取り崩しという下山ルートこそが大事」
「資産取り崩しという下山ルートこそが大事」はよくわかるけれど、それを実際にやると資産が減っていく不安との闘いになります。
さすがにFIREした人は、早期リタイアから高齢になるまでは資産を減らすことを考えていないでしょう。
もしも減り続けてきたら、不安から再び働くという人も少なからずいるでしょうし。
資産を積み上げ続けてきた人にとって、減り続けるのは未知の感覚になりますから、できれば下山したくない、になりそう。
一方、投資経験なく退職金でまとまったお金を手にした人にとっては、リタイア生活を適度に楽しみながらの下山ルートが大事。
財布の紐を緩めすぎず・締めすぎずの、自分にとってちょうどいい下山ルートを見つけるのが重要だと私は考えています。
定年以前から投資をやっておいたほうがいいように、年金生活の前に「プレ年金生活」をやっておくのがいいかも。