お一人さま女性の年金額は平均月10万円?
女性は非正規労働が多く、正規労働でも男女には賃金格差がありますし、さらに女性は結婚や出産によりいったん退職してしまうと再就職が難しい傾向にあります。厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は男性が5万9,040円、女性が5万4,112円となっており、厚生年金の平均月額は男性が16万4,742円、女性が10万3,808円です。現役時代の賃金の差が老後の年金の差につながっています。
厚生年金受給者の平均受給額は14万円台、それを男女別で見ると男性16万円台・女性10万円台になります。
これは現役時代の給与水準の差からくるもので、生涯未婚者だけで比べれば女性は貧困に陥りやすいのは事実です。
ただこのデータを持って「お一人さま女性の年金額は平均月10万円」とするのは明らかにおかしい。
なぜなら、結婚して共働きし老後はそれぞれ厚生年金を受給している夫婦も、それぞれこの統計値に含まれているからです。
また、厚生年金受給者だけの数字なので、国民年金のみの人は入っていません。
おひとりさま女性の年金額は平均月12.9万円
では実際の高齢単身女性の年金額はいくらなのかというと、先日もお示しした「全国家計構造調査(2019年)」にあります。
これによると、高齢単身(おひとりさま)女性の年金額(社会本領給付)は平均月12.9万円ですね。
ただし、夫に先立たれて一人になり、遺族厚生年金を受給している女性も含んでいて、生涯未婚者だけの数字ではありません。
一方、国民年金(基礎年金)のみの人もいるでしょうし、逆に子どもの扶養に入っている人はここに含まれているはず。
本当に苦しいのは国民年金だけの人でしょうね。
今後は年金額が生活保護レベルのおひとりさまが増える?
おひとりさま女性の年金額は少なく、貧困に陥りやすいのは事実です。
年金額が少ない理由は非正規労働などで賃金が低いことであるならば、今後は男性のおひとりさまも厳しいでしょうね。
ちなみに年収300万円で40年間働き続けてきた場合、年金額は12万円です。いわゆる「生活保護レベル」ってやつですね。
これを貧困とするのかはまた別の議論ですが、少ないなりに生きていけないこともない。
元記事のポテトのシェアの話は、貧しさを感じるようでもあり、いやもう歳取ったらそんなに食えんからちょうどええやろ、とも思ったり。
食べすぎて太って不健康になるよりはいいんじゃないかと。