50代の3人に1人が老後貯蓄ゼロという現実
このレポートは、サラリーマン1万人への調査を行ったものですが、驚くべきは退職準備金が0円の人が約41%もいるということです。2人から3人に1人が、老後のための資金をまったく準備できていないことになります[図表1]。
50代で老後貯蓄ゼロや非常に少ないの人が多いのは、晩婚化で子育てが終わっておらず、特に教育費がかかる高校・大学に通う子どもを抱えている人も多いのでしょう。
30代で長期の住宅ローンを組んでまだ支払いが続いているという人もいるかもしれません。
子育てや住宅ローンが終われば貯金フェーズに入れるし、退職金があれば老後資金として充てることができます。
しかし、記事では4割の人が退職準備金が0円もいるというレポートが示されています。
50代で老後貯蓄ゼロかつ退職準備金がゼロという人がかなりの割合でいることが数字でもわかります。
どうせならゆとりある老後生活を送りたい
50代でこの状況では「老後生活を迎えるまでに十分な蓄えをするのは、ほぼ不可能」、だから若いうちから副収入を確保しましょう、ということを言いたいのでしょうか。
そこから「どうせならゆとりある生活を送りたい」、「ゆとりある老後生活を送るためには、平均35.4万円の資金が毎月必要だと考える人が多い」という展開は、やはり筆者の商売のため?
そもそも、この手の調査の「平均額」で語ってる時点でねぇ…
病気になるなどお金が必要になる可能性を考えての予備費がないと不安な生活になるのは事実です。
しかし、老後生活のために現役時代を犠牲にするのももったいない。
また老後生活のために副収入を得ようとして、不動産投資をして失敗したら、それこそ下流老人へまっしぐらですから。
7割の人が「老後はつつましい生活」と考えている
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」のレポートは、この手の記事では「ゆとりある老後生活に必要な生活費」がよく使われています。
では同じ調査の中の「自分の老後生活がそれまでの生活と比較して経済的にどのように変化すると考えているか」という設問では、「つつましい生活」と答えた人が70.0%、「同じ程度の生活」は20.7%、「経済的に豊かな生活」は1.8%という結果です(令和元年の調査)。
「ゆとりある生活を送りたい」と考えている人は1.8%から多くて20%くらいですかね。
7割以上の人が、自分の年金額(予定)や貯金額から、現実的に考えているのだと思います。
もちろん、老後のお金はあるにこしたことはありませんけど。