「日本人は貧乏になった」
いまや日本社会は外国人労働者なしには成り立たない。それは健全なのか。作家・相場英雄氏は最新刊『アンダークラス』(小学館)で、外国人技能実習生の問題を取り上げた。相場氏は「日本人は貧乏になった。だから労働力を外国人に頼らざるを得ない。その事実に気付いていない人が多すぎる」という――。
『アンダークラス』の著者・相場英雄氏のインタビュー(全2回)です。
日本が貧乏になったというよりも、世界(新興国)がどんどん豊かになっているのに、日本は前に進んでおらず、その差が縮まっていたり抜かれているのだと思います。
それでも苦しい中小企業のコストカットのしわ寄せから、外国人実習生も貧しい生活をしている農村から雇うようになった、と。
外国人実習生も以前は中国などが多かったし、その前は派遣・請負に安い労働者を求めていたわけで、日本人を含めて焼畑農業してる感じです。
外国人にさせていた仕事をせざるを得なくなる
コロナ禍の不況により、仕事を失った人の中には「これまで技能実習生にまかせていたような仕事をせざるをえない人も出てくるはず」としています。
でもその仕事は、外国人技能実習生制度ができる前は、日本人の誰かがやっていたことです。
日本の場合は、逆立ちしても人手が足りないから外国人を導入したというよりは、安い賃金で働いてくれる日本人がいないから外国人労働者を働かせられるように、本音と建前が乖離した制度を導入したに過ぎませんから。
外国人労働者が日本に来てくれなくなる
新型コロナの感染拡大によって、世界的に国境を越えて働きに出られなくなっています。
それに加えて、貧乏(低賃金)な日本に来る意味がなくなりつつあります。賃金が高い国から選ばれていくのが自然なことですから。
労働環境が良ければ選ばれる可能性がありますが、日本で酷い目にあった人は「もう来たくない」となってますし、そういう情報がSNSで伝わりやすい時代です。
「外国人に頼らざるを得ない」が近い将来「頼りたいのに貧乏で外国人が来てくれない」になるので、結局日本人を働かせるしかなくなるでしょう。
安く使おうと思うから集まらないだけで、ちゃんと生活できる賃金を払えば、日本人でも働く人はいると思いますけどね。