若年層は40代になるまで退職に向けての貯蓄を始める必要はない
・若年層は40代になるまで退職に向けての貯蓄を始める必要はない、と全米経済研究所(NBER)の新たな論文が明らかにしている。
・それは、もしあなたが大学を卒業していて、大幅な収入アップが期待でき、お金以外のことを大事にしているのであれば、ということだ。
・論文は、貯蓄ではなく「人生のトータルの満足度」に着目している。
あくまでアメリカの話であり、さらに「大卒で収入アップが期待できるならば」という条件付きの話です。
若いうちは収入を高めるような自分への投資をした方がいいですし、老後健康でいられる保証はないので、若いうちに楽しんでおいた方がいいこともたくさんあります。
もしもに備えた貯蓄が全く不要だと言っているわけではなく、要は「バランス」という意味なら理解できるし、特に新しい提言でもないですよね。
「人生100年時代」のために20代から我慢をするのは
日本では「人生100年時代」「老後資金2000万円必要」といった言葉で、老後(リアイア後)に備えての貯金・投資を勧誘が目立ちます。
老後のことばかり考えて、現役時代、特に20代・30代に貯金・投資ばかりになってしまっては、「人生のトータルの満足度」ではどうなのか?
資産額だけで人生の満足度・成功度を計る人にとってはそれでもいいのかもしれませんが、多くの人はそうではないでしょう。
ただし、日本ではこれから大きな収入アップが期待できない人が増えるでしょうから、若いうちから少しずつ備えるべきと言えますね。
FIREムーブメントに釘を刺す?
このような論文には、日本でも話題になっている「FIREムーブメント」に釘を刺す意図も感じました。
「FIRE(Financial Independence, Retire Early・ 経済的独立と早期リタイア)ムーブメント」は、海外のミレニアル世代で広がっていますから。
早期リタイアして40代・50代を自由に生きるために、20代・30代は貯金・投資に力を入れるのでもったいない結果になる可能性はあります。
ただ、40代・50代で健康でなくなっている可能性は低いので、老後のためにずっと貯金・投資をするよりはいいでしょう。
「人生のトータルの満足度」は人それぞれの生き方次第であって、最後は自己満足の世界だと思いますけどね。