「継続は力なり」のウソ
成功する人ほどあきらめが早い。不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんはそう指摘します。「彼らはコロナ禍の初期に閉店や撤退を決意し、最近は新店オープンや新事業の報告が多くなっています」。なぜ成功者たちは、さっさとあきらめてしまえるのでしょうか――。
「継続は力なり」は、ビジネスにおいても人生訓としても、よく使われますね。
「努力は裏切らない」と信じて、諦めずにずっと同じ努力を続けて成功を得たストーリーはドラマチックなので、取り上げられやすい題材です。
「石の上にも三年」ということわざもありますし、会社を辞めさせない方便として使われることもありますね。
「継続は力なり」は生存者バイアスがかかった言葉
ただし、「継続は力なり」と言えるのは継続して成功した人のみです。
継続したものの成功に至らなかった人は、「継続は力なり」とは言わないし「継続しても力にならず時間の無駄だった」と言っても誰も聞いてくれません。
「継続は力なり」は、いわゆる「生存者バイアス(生存バイアス)」がかかった言葉として受け止めておくべきです。
成功しなくても継続した時の努力は人生の糧となった、と言えるかもしれませんが、継続した間の時間をもっと別のことに使っていたら…という視点は抜けてしますね。
学生時代の部活や趣味ならそれでもいいと思いますが。
時には「損切り」「撤退」も大切
元記事にあるように、諦めないことを美化するのは危険だと思います。
時には「損切り」「撤退」も必要ですが、それが常に正解とも限りません。継続した方がいいケースもあるでしょう。
でも世の中では「継続」「諦めない」方がもてはやされているし、「損切り」「撤退」には悪いイメージを持たれがち。
ハンガリーのことわざ「逃げるは恥だが役に立つ」がマンガとドラマのおかげで少し知られるようになったのは良いことです。
継続か撤退か、どちらを選ぶのが正解だったのかは本当のところわからないケースがほとんどだと思います。
私にとってセミリタイアは「達成」ではなく、労働からの「勇気ある撤退」ですが、それが正解だったのかはまだ答えは出ていません。
「セミリタイア生活からの撤退」も選択肢の一つに置きつつ、今はこのまま継続するつもりです。