現役世代と高齢者で異なる不安要因
現役世代が想像している老後と、実際に高齢者になってからの生活には、大きな差があります。
例えば、「老後の生活において最も不安なこと」という質問に対して、現役世代は「生活資金の不足」を挙げる人が多いのですが、高齢者は「身体機能の低下」の方が多いのです。
つまり、現役世代は、老後の資金を心配しているのに対して、高齢者になってみると、お金よりも身体の方を心配しているのです。
「心配事の9割は起こらない」などと言われることもありますが、これを見ると現役時代が心配する老後資金の問題は考えているほどではなく、健康問題の方が大きくなるということでしょうか。
ただし、今の高齢者はお金を持っていて、今の現役世代は将来年金が減ったり、退職金が見込めなかったりすることを考慮に入れると、その違いとも言えます。
そもそも、自分が高齢者になった時、どんな生活をするかなんて完璧には想像できないものですしねぇ。
また、高齢者の支出は年齢層が高くなるほど低くなっています。外出が減ったり交際範囲は狭まったりする影響でしょう。
その結果、年齢が高くなるほど「生活資金の不足」に対する不安が減っているのだと思います。
健康問題は過小評価?
一方、「身体機能の低下」や「認知機能」については、高齢者が実際に直面して不安に感じていることがわかりますね。
高齢者になった時の支出の予想がつかないのと同様に、自分の体が老いていき、生活に支障が出ることも想像がつかないものです。
お金と同じくらい不安に思っても良さそうなものですが、過小評価されているような。
私などは「人生100年時代」と言われても他人事で、80歳まで生きれば充分長生きと思えるくらいですけど。
セミリタイアして、のんびりしている期間が既に8年を超え、これからも長く続くからかもしれません。
でもこの調査結果を見れば、お金の心配と同じくらいに、健康の心配もしておいた方がいいと思います。
健康でなくなるとQoLが下がってしまい、お金があっても楽しい生活でなくなりますから。