崖っぷちの物流
Aさんがつけた運行日誌を見ると、図表の業務があった月には関東─関西を9往復していた。労働時間は月間で約268時間にも上り、パーキングエリアなどでの休憩時間も含めると拘束時間は410時間を超えていた。
運転したり荷降ろししている時間だけでも月80時間を超える過労死レベルの残業している上に、車の中で休むしかなく実質拘束時間が長いという長距離ドライバーの実態。
長時間残業を前提としているから、残業代のベースとなる時給を低く抑えるため、基本給を低く抑えるのが業界のやり方になっているのでしょうね。
物流の2024年問題
しかしこの状態をいつまでも続けられるわけではありません。
「物流の2024年問題」という時間外労働の上限規制適用(罰則付き)が迫っているからです。
いきなり変わったら大変だろう!と思われるかもしれませんが、ほとんどの業種が既に適用されている中で、自動車運転業務は5年間の猶予期間を与えられているのが現実です。
しかも年間960時間、月間80時間だからまだ緩い方なんですよねぇ。
ドライバーの時給が上がればいいけれど…
時間外労働の上限規制適用によって、1ヶ月の労働時間は減るが時給単価はそのままでは、収入が減って困る人がでるかもしれません。
今の給料はそのままで労働時間・拘束時間が短くなればいいのですが、それができる会社はどれほどあるのやら…
運送ドライバーで組合作って賃金交渉するチャンスだと思いますが、まとまらなさそうだしなぁ…
多重請負構造の業界あるあるかもしれませんね。IT業界も似たようなところがありますし。
いきなり物流が大混乱する事態にならなければいいのですが…