60代で貯蓄2000万円以上はわずか3割
60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額は、2000万円以上の世帯は約3割。
多くの世帯が退職金をもらった上でこの金額だとすると、「老後資金2000万円」に届いていない人が7割近いという現実です。
ただこれをもって、金融資産2000万円以上ある世帯は「老後を乗り切れる」、2000万円以下の世帯は「老後を乗り切れない」みたいな言い方をするのには違和感あります。
退職金の平均は2000万円を超えないから、「退職金だけで老後の生活をカバーするのは難しい」などと結論づけていたり。
まるで2000万円を持っていない7割の人は老後を乗り切れないような言い方ですから。
皆が平均の支出で生活するわけじゃないから
「老後資金2000万円必要!」問題を語る時、まるで全ての人が基となった老後世帯の平均支出(平均の月赤字)と同じ生活をする前提で話を進められがち。
平均より赤字(貯金の取り崩し)が多い人もいれば、逆に赤字がゼロの人もいて、平均してあの数字なんです。
金融資産保有額だって、億を超える資産持ちもいれば、金融資産非保有の人もいて、平均は2427万円。
貯めたお金を使わずに死ぬのはもったいない、と自分で使ったり孫に買ってあげたりして使う人がいるから、平均で見ると「老後資金2000万円必要!」になっているわけですね。
老後を乗り切る工夫は必要
もちろん、老後資金が少ない人は毎月赤字を垂れ流すわけにはいきません。
老後資金が少ない人が老後を乗り切るには、老後も働くか、支出を抑える工夫は必要になります。
場合によっては国や地方自治体が行っている支援の制度を利用するのもありでしょう。
例えば所得が少ない人は安く入れる公営住宅などがあります。
ただし「平均的な老後生活」にこだわるなら、しっかり老後資金を貯めておく必要があります。