人材採用における認知バイアスの罠
しかし、どういう人材を獲得すれば「正解」なのか、確実な方法論はない。正解だと思っても、それは実は「バイアス」にとらわれているかもしれない。あなたの会社では「先入観」や「思い込み」を基に社員を採用していないだろうか?
人材採用において体育会系を高く評価するのは、採用する側(担当者や役員)が体育会系で、そこでの経験が今の自分の糧になっていると感じているから、が一番大きいのではないかと感じます。
体育会系でなくても同様の経験ができてればいいし、体育会系だからといって同じような経験ができたという保証もない。
むしろ体育会系で間違った経験をしているかもしれません。
とは言え、自分の経験だったり(かつては)周りにいる人が皆体育会系が多かったことから、認知バイアスが働くのもしょうがないこと。
求めているのは「協調性」ではなく「絶対的な上下関係」では?
ただ、企業が体育会系に求めているのは「協調性」や「リーダーシップ」よりも、命令に従う「絶対的な上下関係」ではないのかな?
「絶対的な上下関係」は日本の体育会系の特徴であり、使う側にとっては扱いやすいですからね。
それが日本企業が違法行為していた時の、組織的隠蔽に繋がっているとも感じますが…
「楽をしたがらない」は今の日本にとってマイナスでは
体育会系に対する私が持っている認知バイアスは「苦労を厭わない」=「楽をしたがらない」です。
面倒なことでも、それが体育会系の地道な練習と同じで、自分の糧になると考えてやって、それが長時間労働にも繋がっているイメージです。
スポーツの練習では「楽をしちゃだめ」は正しいかもしれませんが、仕事の生産性向上という観点で言えば「楽をしよう」が正解なので相反します。
「真のプログラマは、楽をするためならいかなる苦労も厭わない」と言われるように、楽をするための「苦労を厭わない」ならいいんですけど。
DX化などで生産性向上をしたい日本において必要な人材は、「楽をする」を目的に動ける人。もちろんこの「楽をする」は「手を抜く」とは違います。
そういう人材を集めるのは難しいでしょうけど、少なくとも「苦労を厭わない」だけのタイプを重用するのは避けた方がいいかと。