年金「月22万円」60代夫婦、赤字拡大で悲鳴
家計調査における高齢夫婦無職世帯の平均収支は、2022年の発表で約2万2千円の赤字(貯金の取り崩し)。
さらに最近の物価上昇に対して、年金の上昇は低いため高齢者の生活が苦しくなってるのは間違いないですが…
実際にこの平均値と同じ収支で生活している高齢者に取材したわけでもなく、ただ赤字なことをもって「悲痛な叫び」「悲鳴」とかもうね…
「ため息」とか「ぼやき」くらいにしてとどめておけばいいのに。
この20年の赤字額はもっと多かった
今後も続くであろう物価上昇により、さらに赤字額が広がる可能性は高いでしょう。
それで家計調査の平均値と同じよう22万円ほどの年金をもらってる人が、どう生きていけばいいのかわからなくなるほどになるかというと、それはない。
というのも、過去20年でみれば、高齢夫婦無職世帯はずーっと赤字で、今よりもその赤字額は大きい。
前回書いたデータに最新のデータを追加した表がこちらです。
年 | 不足分(月額) | 30年間換算 |
2005 | 35,455 | 12,763,800 |
2006 | 44,657 | 16,076,520 |
2007 | 46,221 | 16,639,560 |
2008 | 49,388 | 17,779,680 |
2009 | 42,125 | 15,165,000 |
2010 | 41,191 | 14,828,760 |
2011 | 42,950 | 15,462,000 |
2012 | 51,674 | 18,602,640 |
2013 | 57,592 | 20,733,120 |
2014 | 61,560 | 22,161,600 |
2015 | 62,326 | 22,437,360 |
2016 | 54,711 | 19,695,960 |
2017 | 54,519 | 19,626,840 |
2018 | 41,872 | 15,073,920 |
2019 | 33,269 | 11,976,840 |
2020 | -1111 | (黒字) |
2021 | 18,525 | 6,669,000 |
2022 | 22,270 | 8,017,200 |
2.2万円の赤字で「悲痛な叫び」だとすれば、2014,2015年のように赤字が6万円を超えていた頃は「断末魔の叫び」でも聞こえてそう。
いやそんなものは全く聞こえてこなかったわけですが。
本当に苦しいのは、赤字を出さずに生活をしている高齢者
この手の記事で誤解をしてはいけないのは「赤字=生活が苦しい」ではないこと。現役世代とは意味合いが違うので。
わざと赤字決算にする中小企業のようなもので、高齢者の場合は貯めた貯金を計画的に使ってるなら問題なし。
むしろ、貯金が少ないから年金だけで生活せざるを得ず、必死に節約してなんとか生きている高齢者の方が物価高騰で生活が苦しくなります。
節約をすでにやりきっていれば、「節約をするしかない」と言われも困りますから。
それよりも、必要な老後資金が2000万円から800万円(2022年)にまで減っていることを喜ばしいこととして情報のアップデートすればいいのに、これは都合が悪いのかな…