「老後に後悔しない住まい」の最終結論
住まいは、持ち家と賃貸のどちらが得だろうか。米国公認会計士の午堂登紀雄さんは「どこに住むかで判断は変わってくる。家賃の安い地方や郊外なら一生賃貸でも生活できる。一方、ずっと都市部で生活したいなら、老後のことを考えて持ち家を買うのもひとつの手だ」という――。
どっちがいいのかずっと論争になる「マイホームか賃貸か」について、お金のプロが「老後に後悔しない住まい」の最終結論をだしたというもの。
この結論自体に異論を唱える気はありませんが、抜け落ちている視点があるようには感じました。
その一つは、「災害リスクが高い地域の持ち家は危険」という視点です。
気候変動で冠水・浸水に至る災害(水害)が各地で発生しています。今までは大丈夫だったからと言って、この先も大丈夫という保証はありません。
川の近くに住んでいるなど、水害リスクはある程度わかりますから、リスクが高い場所に買った持ち家なら住み続けない選択もありでしょう。
終の住処に向いてなければ意味がない
もう一つの視点は、「終の住処に向いた間取りか」です。
老後の生活では、持ち家なら1階だけで生活が完結するのが理想です。階段の上り下りが必要だと大変ですから。
若い頃なら2階をメインに生活しても良かったのが、老後はそうもいかなくなります。
もしも持ち家が1階だけで生活が完結しない構造であるならば、終の住処には向きません。
もちろん賃貸でもエレベータがない物件で階段の上り下りが大変であれば引越しすべきです。
老後は寝室のそばにトイレが理想
「寝室が2階でトイレが1階」の間取りを想像してください。
夜、目が覚めてトイレに行きたくなった時のリスクは非常に高いです。冬は寒さもありますしね。
「老後に後悔しない住まい」と言うならば、老後の生活を想定した間取りにしておくのが大前提です。
もしも持ち家がそうなってないならば、損得の結論が逆転もあり得るということです。
リフォームするのも一つの手ではありますが、費用がかかってしまいますからね。