日本の国民の半数以上が低所得者?
厚生労働省の統計(国民生活基礎調査)をもとに、年収を1000万円以上の高所得者、500万円から1000万円の中間層、500万円以下の低所得者と3つの区分に分けると、なんと低所得者が全体の6割も占めています。国民の半数以上が低所得者ということです。あまりの低所得者の多さに私は愕然としました。
「2022年国民生活基礎調査」の結果から、低所得者(500万円以下)の割合が6割もいるというのは、おそらくこのデータだと思います。
日本の全世帯の平均所得金額が545.7万円、その平均所得金額以下が61.6%というデータです。
サラリーマンの1人当たりの平均給与は461万円ですが、それより100万円ほど高いのは世帯収入だから。
一方、世帯収入で200~300万円が最も多いのは、このデータは高齢者世帯を含んでいるからです。
つまり、高齢化社会によって低所得者が増えているに過ぎないということ。
高齢者世帯以外の平均所得は665.0万円
調査では、高齢者世帯の平均所得は318.3万円、高齢者世帯以外の世帯は665.0万円であることが示されているので、現役世帯の低所得者は6割よりは少ないと推測されます。
また、「世帯主の年齢階級別にみた1世帯当たり-世帯人員1人当たり平均所得金額」では、一人当たりではあまり差がないのことが読み取れます。
夫婦2人で所得1000万円でも、子どもが2人いれば一人当たり250万円になりますからね。
逆に夫婦2人で550万円を中間層、単身で450万円を低所得者と分類するのも違和感があります。
独身者の割合が増えていることで、低所得世帯の数が多くなっているとも言えますか。
相対的貧困率は下がっている
「貧困化が加速」などと、日本の貧困層が増えているような印象で語っていますが、相対的貧困率は2012年の16.1%をピークに微減となっています。
円安や賃金上昇率の低さから、日本が世界の中で相対的に貧しくなっているのは事実ですが、貧困化というとまた違うんですよね。低所得層と貧困層は別ですし。
ただ、中間層が減り低所得層が増えるのはOECD諸国の多くでも起きていることで、日本も確実にそうなっていくでしょう。
元記事は、不安を煽れそうなデータをかいつまんで提示して、不動産投資に誘導するのが狙いなんでしょうね。
もしも日本で貧困化が加速したら、不動産の借り手がいなくなって困るということも考えられそうなんですけど…