気になる「50代の貯蓄額」
40代後半から50代は、老後に向けたお金をどれくらい用意すればいいのか、考え始める人が多い時期だと思います。
特に50代からは、ねんきん定期便に年金見込額が示されるので意識させられますし。
だからこそ「50代の貯蓄額」記事は、他の世代よりもアクセスが多いのかもしれません。
なんと、1月30日にほぼ同じ記事が2つ出ていました。
偶然なのかわかりませんが、どちらも50代で「貯蓄100万円」の人が相談してきたという体の記事なんですよね。
2つの記事で平均額が違う?
どちらも金融広報中央委員会(知るぽると)の「家計の金融行動に関する世論調査」を基にした同じネタです。
ただその数字の出し方には違いがあり、ちょっと混乱します。
LIMOの方は金融資産全体で、平均1048万円・中央値53万円。
一方のファイナンシャルフィールドは預貯金の平均が374万円で、その他の金融資産項目についても個別で示していますが、全体の金額については触れていません。
金融資産項目の分布については、株式や投資信託は一部の人が大きく引き上げていたり、生命保険(貯蓄性)については持ってる人と持ってない人に分かれそう。
また全体額の中央値は、平均と比べてぐっと低くなるので、50代で「貯蓄100万円」は中央値に近い人だと思われます。
本当に知りたい「みんな」とは?
老後に備えていくら準備すればいいのか、みんないくら準備しているのか、は気になるものでしょう。
ただこの時の「みんな」は誰を指しているのか?
当然世間一般の平均も気になるでしょうけど、それ以上に気になるのは「同僚などの自分に親しい人」や「同じ境遇(学歴等)の人」ではないかと。
老後も付き合っていくであろう友人と、大きな差がついた状況は穏やかでいられないでしょうから。
ただし、働いている職場が違うと退職金で大きく開く可能性があるし、親が亡くなって遺産相続で貯蓄を増やす人も出てくるのが50代から60代です。
50代時点の貯蓄額について、周りを見て安心するのも良くないし、一部の人が全体を押し上げてしまう平均で考えるのも良くない。
退職金規定や年金見込額、さらには支出額を把握して、自分にとってどれくらいの貯蓄が必要かを考える時期が50代ではないでしょうか。