早期リタイアした場合の年金額の概算方法
超大雑把という意味での概算ならこれでもいいと思いますが、実際にはかなり不正確になりかねません。
老齢基礎年金(≒国民年金)は厚生年金にしろ国民年金にしろ加入月数比例なのでわかりやすいのですが、老齢厚生年金(いわゆる報酬比例部分)はわかりにくいからです。
1年間の厚生年金保険料を決める「標準報酬月額」は4~6月の給料の金額で決まりますが、1年間絶対に固定というわけでもありません。
4~6月以外でも2段階以上給料が大きく変化した場合は標準報酬月額も変化します。
そもそも自分がもらっていた月額を正確に覚えている人は少ないのが一番の問題かも?
さらに、平成15年から制度が変わり、賞与からも厚生年金保険料が徴収されるようになりました。
その結果、老齢厚生年金の概算には次の式を使う必要があります。
- 平成15年3月まで
「平均標準報酬月額×7.125/1000×月数」 - 平成15年4月以降
「平均標準報酬額(賞与込みで月額に換算)×5.481/1000×月数」
日経新聞の『年金いくらもらえる? 加入期間や給与で試算可能』という記事はかなり大雑把なので、40歳以上の人が参考にするとずれが大きいかも。
正確な年金試算はねんきんネットで!
長年勤めた会社を早期退職をして、早期リタイアや独立開業を本気で考えているのなら、正確な年金試算をするべきでしょう。
そしてそれはとっても簡単に、実際に納めた年金保険料から計算できます。日本年金機構の「ねんきんネット」で試算ができるからです。
これまでの年金納付額と今後の予定からもらえる年金を試算する「年金見込額試算」があります。
「かんたん試算」「質問形式で試算」「詳細な条件で試算」がありますが、「かんたん試算」は現状の仕事を続ける前提なので、仕事を辞めるなら「質問形式で試算」になります。
すると最初に答える質問は「今後の職業」です。自営業や無職も入力可能です。
その次には「加入制度に関する確認」ですが、無職だと自動的に国民年金になります。ここでは免除制度は選ぶことはできません。
これで試算すると「これまでの厚生年金実績+今後は国民年金を払う」で試算が可能です。
詳しい使い方は日本年金機構の「年金見込額試算」を御覧ください。
年金はアテにならないかもしれないが…
年金はもらえるかわからない、アテにならない、と思う方がいるかもしれません。
見込額は間違いなく変動するでしょう。もちろん下方への変動を覚悟しないといけません。
元本保証の貯金と考えるとアテにはなりませんが、そもそも元本保証のない投資だと思っておけばいいでしょう。
長い期間サラリーマンで厚生年金を払った人は、少しでも取り返さないと損なので、どれだけ払っているかをきっちり把握するためにも、ねんきん定期便やねんきんネットは重要です。