白石一文氏の幸福論
人間は挑戦することで満たされがちです。人間関係でも、うまくいかない上司や仲良くできない同僚との関係を改善するために自分を変えようとする。それはとても尊いことだと思うけど、そこに力を使うぐらいだったら、気が合う人や仲のいい人と信頼関係を深めたほうがいいのではないかと思うんです。
直木賞作家・白石一文氏のインタビュー。38歳でパニック障害になって仕事を辞めていることが人生観に大きな影響を与えたのでしょうかね。
「人生リセット信仰」を持っていたという話は、私もよくわかります。
私にとってはセミリタイアが一種の「人生リセット」で、イチからやり直すわけではありませんが、人間関係を始め色々なものをリセットしました。
まぁ完全にリセットなんてできませんけどね。
「私たちは、人間関係で修行する必要などない」
そしてもう一つ引っかかった言葉が「私たちは、人間関係で修行する必要などない」。
アドラー心理学にも通じるところがありますかね。「すべての悩みは、対人関係の悩みである」からこそ、人間関係にエネルギーをかけてしまいがち。
人間関係をよくするために努力することは悪いことではありません。そのために自分を変えることはむしろ推奨されることです。
ただ、それを「修行」のように捉えて、どんなに嫌な相手に対しても好かれるように努力するのはバカバカしい。
気が合う人と楽しい時間を過ごすための努力をした方が、人生にとっては意味があるわけですね。
白石一文氏にとっては、それが家族だったのでしょうけど。
日本人は「修行」を信奉しすぎ
日本人は無宗教だと言われますが、その割にはそもそも仏のさとりを求めるための行為を指す「修行」を尊いもの、必要なものと捉えがち。
修行でさとりを開ければ良いのですが、現実には必要以上の苦労を強いるための方便に使われていたりします。
人間関係で修行をするなどさらにもったいないこと。なぜなら、それは相手のいることであり、自分だけではどうしようもないからです。
他人から言われてする行動とか、他人との関係を良くするためにする行動は、そもそも「修行」じゃないですね。
「修行」は、自分の心の奥底から湧き出て行うからこそ意味があるのだと思います。
結論は、やりたいことをやれ、ということです。