貯金2000万からのセミリタイア継続中

40代・貯金2000万円で無謀なセミリタイア生活を始めて5年以上継続中。気がつけば50代に…

昭和は遠くなりにけり 美化しやすくなっていく

「昔はよかった」派の昭和美化

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過去を美化する傾向、やめてほしいですね。7月31日、CNNの日本語版サイトに掲載された国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの女性広報担当者による、「30年前は使い捨てのプラスチック包装などなかった。新聞紙で物を包み、食料品は風呂敷にくるんで持ち歩いていた」発言がネットで物議を醸しました。

30年前はもう平成に入っているわけで、昭和ですらないわけですが…

実質的に35歳くらいまでの人は「昭和の記憶」はないわけですよね。

昭和の記憶」がない35歳以下の人に「昭和はこうだった」と言えば、ああそうなんだと勝手に想像して思い込んでくれるんでしょう。

「昭和」でひと括りにはできない

ただ63年間もある昭和をひと括り語るのも危険です。

「戦前・戦中」「終戦直後~高度経済成長期」「オイルショック後~バブル(直前)」くらいには分けられますね。

高度経済成長期くらいまでプラスチック包装は主流ではなかったと思いますが、オイルショックが一段落して80年代にはめちゃくちゃ増えた印象です。

グリコ森永事件』(1984,1985年)によって、食品包装がさらに厳重になった経緯も忘れてはなりません。

また、脱酸素剤「エージレス」の商品化は1977年で、これとプラスチック包装の組み合わせで賞味期限を延ばせるようになりました。

30年前は~」という言い回しは、それ以前のことを知らない世代なら騙せるのでしょうねぇ。

これぞまさに子供騙し。今はネットで調べればわかることではありますが。

昭和の良かったところもあるけど、美化はできない

昭和の時代が今と比べて良かったことがないわけではありませんし、その時代に生まれた文化は独特なものがあり、較べてもしかたがありません。

ただ、美化はしない方がいいですね。はっきり言って「よく許されてたなー」ということの方が多いので。

そもそも、高度経済成長期の日本は、公害問題で大騒ぎしていました。

プラスチックごみで長期的に生態系に影響を与えるなんてレベルじゃなく、目の前で魚が死んだり、人間が病気で苦しんでいるレベルだったんです。

短期的な公害問題を少しづつ改善して、今は長期的な視点でプラスチック問題に取り組めるようになったということ。

過去を振り返るなら、そういう歴史もちゃんと見て欲しいですね。

男の隠れ家 2020年 5月号 No.284