改正高年齢者雇用安定法で「70歳まで働く時代」に突入
4月から改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳まで働ける機会を確保することが企業の努力義務となるが、対応が決まっていない企業が5割弱に上ることが帝国データバンクの調べ(2月時点)で分かった。コロナ禍の対応に追われる上、罰則のない努力義務にとどまるため、企業が様子見しているとみられる。70歳すぎまで収入を伴う仕事を続けたいと希望する人は男女ともに過半を超えており(内閣府調べ)ており、企業との温度差が鮮明になった。
これまでは65歳までの雇用が努力義務だったのが、4月から70歳になりました。
「70歳までの定年引き上げ」か「定年制度の廃止」か「70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入」、あるいは「70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」などが努力義務となります。
定年引き上げはこれまでの65歳ですら導入している企業は少なく、ほとんどが継続雇用制度です。
今回の法改正でも、「70歳までの定年引き上げ」を選択する企業は少なく、65歳以降の継続雇用を選ぶ企業が多いようです。
65歳以上あるいは可能な限り働きたい人は2人に1人
厚生労働省の「第89回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」に資料として出された、「高齢者の雇用に関する調査結果【速報値】(pdf)」には、60代の高齢者の労働状況や今後の労働の意思についての調査結果があります。
その中の「収入を伴う仕事をする希望年齢」では、「働けるうちはいつまでも働きたい」と答えた人が3人に1人。
具体的に「◯歳くらいまで働きたい」と答えた人のうち、65歳以上と答えている人が70%以上にのぼっているので、全体の約25%の人が65歳以上も働きたいという結果です。
「働けるうちはいつまでも働きたい」と合わせると2人に1人を超えているので、「70歳就業法」の導入もそれに応えたもの、なんですかね。
40代で「FIRE」する人もいれば、70歳まで働く人もいる時代
フジテレビ『Mr.サンデー』で「FIRE」の特集が放送されたり、AERAで「あなたもできるFIRE完全マニュアル/実現への5ステップ」という特集記事が組まれたりして、「FIRE」が広く一般に知られるようになりつつあります。
70歳まで働く人もいれば、30代・40代で「FIRE」する人もいて、それぞれが稀で特殊な事例ではない時代です。
それぞれ違う価値観・生き方・働き方であって、どちらかが良いとか悪いとか言うものではありません。
厚生労働省や政府には、一つの「モデル世帯」や「働き方」だけをターゲットにした政策を考えるのではなく、それぞれが好きなようにできる政策を考えてもらいたいです。