「FIRE」の問題点
最近、 FIRE(ファイア)と呼ばれる「経済的に自立した早期退職」、つまり雇用されて仕事をするのではなく、株の配当金など不労所得だけで生活するために節約と蓄財に励み、できるだけ早く退職しようとする考え方がはやっています。
一番大事なことはお金ではなく自由だという考え方ですが、これが間違っています。
一番大切なことは使命を全うすることです。
「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」がもてはやされすぎたり、これこそが「最も素晴らしい生き方」みたいな言われ方をするのは違和感をおぼえます。
あくまで生き方の一つであって、他と比較すべきものではないし、また社会全体で考えれば異端の存在でいた方がいい。
安易に他人に勧めるべきものではないし、記事にあるように特定の投資先や手法だけを勧めるのもリスクがあります。
にほんブログ村の「セミリタイア生活」には、昔から一定数の「だれでもセミリタイアできる副業や投資のノウハウを教えます!」ブログが登録されていますが、FIREもその手の人たちのターゲットになりそうです。
人生の使命は労働しかないのか?
元記事で違和感があったのは、「一番大切なことは使命」であり「仕事が使命」としている点です。
社会的な使命を感じる仕事に就けた人は、充実した人生を送れると思いますが、それは一握りでしょう。
好きな仕事(ライクワーク)が出来ている人は多いとは思いますが、自分の使命と感じる仕事(ライフワーク)の人は少ない。
また「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる、社会において必要不可欠な労働を担っている人たちが、厳しい労働環境・待遇の低さから離職している日本社会では使命を全うするのも大変です。
労働に縛られないこそできる「ライフワーク」もある
「ライフワーク」とは「その人にしかできない、一生をかけてする仕事や事業」ですが、必ずしもそれで安定した収入が得られる保証はありません。
むしろ、FIREによって「ライスワーク」的な労働から解放されることによって、「ライスワーク」に専念できる場合もあるでしょう。
人間の使命は「幸せになること」であって、仕事もFIREもその手段の一つに過ぎません。
「FIRE」して残りの長い人生をダラダラ生きたら虚しく感じるかもしれないよ?という問いかけは必要だと思います。