「自粛しないサル」を自粛させるには
新型コロナウイルスの新規感染者数が連日、過去最多となっている。霊長類学者の正高信男さんは「人々の行動を変えるためには、サルの研究で判明した『嫌悪学習』を応用するといい。たとえばコロナ感染で苦しむ人の姿をメディアで報じれば、自粛の効果が期待できるはずだ」という――。
犯罪対策で言えば「一罰百戒」の効果ですかね。
違法ドラッグを使用している有名人を摘発して大々的に報じさせることで、違法ドラッグで失うものの大きさを知らしめるとか。
運転免許の更新で危険なシーンのビデオを見せることも同様だと思います。
「高齢の家族を守るため」と訴えていた反動か?
元々、若い世代に向けて徹底した感染対策・行動の自粛を呼びかける際に用いられていた言葉は「高齢の家族を守るため」でした。
若い人は新型コロナに感染しても無症状か軽症で終わるけど、高齢の家族に感染させて危険な目にあわせるかもしれない。だから自粛してね、と。
しかしその高齢の家族がワクチンを打っていればもう安心。実際、ワクチンの効果で感染者数の増加に対して以前よりは重症化率は低いし死者数も少ない。
今は「自分の身体を守るため」の自粛を訴えなければなりませんが、「自分は大丈夫」という正常性バイアスが働いてしまいがちですし…
新型コロナの後遺症の怖さを知らしめるべき
「あんなに苦しむんだ」という実態を報道するにしても、重症化した人の姿を見せてもピンとこないでしょう。若い人は、自分はああならないと思うだけで。
より自分に身近に感じる怖さとして伝えるべきは、新型コロナの後遺症の怖さだと思います。
「味覚・嗅覚障害」も大変ですが、特にインパクト強そうなのが10%の人が悩まされるという「脱毛」です。
「脱毛」の怖さをメディアがもっと煽ったら効果あると思うんですよね。
「疲労感」や「集中力の低下」と言った後遺症は、日本では「気合が足りない」などと根性論で後遺症と認めてくれなさそうですが…