神奈川県大和市の「終活支援条例」
そんな中、全国の自治体で初めて「終活支援条例」を6月に制定したのが神奈川県大和市(人口約24万人)だ。
同市の高齢者(65歳以上)世帯は4万623世帯。そのうち、1人世帯は1万6384世帯。高齢化率は全国平均を下回るが、高齢者の一人暮らし世帯、「おひとりさま」の割合は全国平均より高い。「多死社会の到来」を見据え、市長発案のもと16年から「おひとりさま支援」政策を本格化させた。
「おひとりさま支援」から発展して「終活支援条例」の制定へ。
「おひとりさま支援」の中での市民からの要望を吸い上げた結果だとすれば、いい流れじゃないでしょうか。
トップダウンで「終活支援」を打ち出すと、「市民に早く死んでもらいたいと思っている」などと誤解されそうですが…
「葬儀生前契約」がしやすくなる
終活支援のうち「葬儀生前契約支援事業」は本当に求められていると思います。
おひとりさまにとって、自分の死後の後始末(葬儀と掃除)を誰かに頼んでおきたいが、生前契約する業者の選定は悩ましいもの。
契約してから契約が履行されるまでの期間が長いため、自分が死ぬ前に契約した業者が倒産して、契約がなくなるわ契約金も返ってこないわという事態に陥る可能性もありますから。
この制度に参加できる葬祭事業者は市が基準を設けてチェックしていれば安心感はあるし、契約のゴタゴタも減るでしょう。
契約金の一部は預り金として留保しておくことを義務付けて、常にチェックしてくれれば完璧かなぁ。
本当は銀行にデポジットする仕組みが広まって欲しいところですが。
全国の自治体に広まって欲しい
このような施策は全国の自治体に広まって欲しいと思います。
自治体が行う高齢者へのサービス・支援と言うと、生活支援になるのは当然ではありますが、終活支援も必要だし行政が介入する余地も多いはず。
利用する機会が滅多に無い葬儀業界は、中にはボッタクリ業者もいるピンきりの世界ですし。
コロナ禍で葬儀を縮小化する人が増えて、葬儀業界の淘汰・再編が進みそうですが、このような制度でまともな業者が残れば良いことかと。