貯金2000万からのセミリタイア継続中

40代・貯金2000万円で無謀なセミリタイア生活を始めて5年以上継続中。気がつけば50代に…

「75歳まで年金受給を繰下げて絶望した76歳男性」はまだいない

節約までして年金を繰り下げた76歳男性

gendai.media

山村さんは老後不安から年金を75歳まで繰り下げて、相談の前年から受取を開始しており、相談時でようやく1年が経過したところだ。

本人としては65歳からだと額面12万円だったはずの年金額が、額面で22万円近い金額になると満足しているようだった。

しかし、今後の生活について試算している過程で平均寿命を基にした年金の総受取額を私が試算したところで山村さんは絶望した……。

老後不安から年金を75歳まで繰り下げ、1年前から84%増の年金の受給を開始したという76歳男性の記事です。

はい、ありえません!

老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられたのは、令和4年(2022年)の4月からなんです。

75歳までの繰下げ受給を選択できるのは、令和4年3月31日時点で70歳未満の方に限られています。(昭和27年4月1日以前生まれの方は対象外)

現在76歳の人は昭和22年生まれですから、繰下げ受給は70歳までしか選択できません。

84%増の年金を受給している人は、まだこの世に存在していないのです。

山村さん(架空)は80歳で死亡

続編の記事では、結局この男性は後悔しつつ平均寿命より1年早い80歳でなくなったと。

gendai.media

現在76歳ではなく、さらに前の話だったようですね。

山村さん(仮名)などと、さも実際に存在する人であるかのように書いていますが、山村さん(架空)だったのが明らかです。記事は2035年くらいの未来の話なのかな。

繰下げ受給で考えられるシナリオの一つとして書くのは、都合が良すぎる展開になってしまうからダメなのでしょうか。

もちろん思った以上に長生きしてウハウハのシナリオや、その中間のシナリオも併記する必要があります。

70歳までの繰下げ受給でも、繰下げなかった場合との損益分岐点は 81歳11ヶ月のため、80歳で死んだら損をした、という結果になるのに。

重要なのは「収支のバランスが取れるか」

いつ死ぬかわからない以上、年金受給額の損得を考えるよりも、老後不安を最小化するには何が必要かを第一に考えるべきでしょう。

重要視すべきは、「年金だけで生活費が賄える(収支のバランスが取れる)」ことです。貯金が減っていくと不安になりますから。

つまり、自分の支出額と同じになるまで繰下げで増額を考える、ですね。

節約で支出額を減らすことで、繰下げない(繰下げのために働かない)選択も考えられます。

年金だけで十分暮らせます