「新NISAは60歳以上でも使わない手はない」
60歳といえば、サラリーマンならばほとんどの人が定年を迎える年齢だ。退職金である程度まとまったお金が手に入るとしても、それをリスクのある投資に回すのはご法度というのが常識だった。しかし、「その常識はもう変わりつつある」と藤川氏は言う。
投資経験がある人が、定年で得た退職金を新NISAでどう投資すべきかという話ならわかります。
しかし退職金でまとまったお金を手にした投資未経験者が、新NISAで投資に挑むとなると話は別です。
「2000万円を運用なしで毎月10万円取り崩したらわずか16年8カ月で底をつく」という想定は、月5万円程度の赤字想定の「老後資金2000万円問題」と比べると、なぜにその2倍にするのかわかりませんし。
それに超低リスク運用と言える個人向け国債くらいは想定すればいいのに。
逆に「運用次第で2倍、3倍と増える可能性もありえる」などと都合のいいことだけ書くのはちょっとねぇ…
大金が必要な時に最悪の相場だったら…
NISAで購入する金融商品は基本的にいつでも現金化できるので、長期で縛られるリスクはありません。
その点で何らかの理由、例えば施設に入らざるを得なくなった時などにまとまったお金が必要になった時でも安心です。
ただ、その時に相場が最悪期でマイナスだったらどうでしょうか?
長期で持っていれば必ずプラスになる、というのが真だとしても、自分にとって必要な時にマイナスになっているリスクはあります。
60歳以上というのは、その時がいつ来てもおかしくない年齢だという事実を念頭に置いておかないと。
やってみないとメンタルがわからない
最後に「わずかな損失にも耐えられないという人はそもそも投資に手を出すべきではない」と書いてありますが、これを最初に強調すべきなんですよね。
60歳まで投資をしてこなかった人は、この可能性が高いわけで。
メンタルを正常に保っていられる損失は人それぞれ。自分にとってそれがいくらかを把握して、その範囲内でやらないと。
最終的にプラスになるとしても、評価額がマイナスな時期を鬱々と過ごす老後はつらいでしょう。
やはり定年前から少しでも投資をやっておくのがいいですね。