大谷翔平選手の契約に「インフレリスク」
「10年契約」「総額7億ドル(約1015億円。1ドル=145円で計算、以下同)」「長期分割後払い」という、破格かつ異例の内容でした。総額7億ドルのうち、大谷選手がドジャース在籍中の今後10年間は毎年200万ドル(10年で2000万ドル)受け取り、残りの6億8000万ドルは契約終了後の2034年から10年間かけて無利子で支払われると言われています。
大谷翔平選手の「10年7億ドル、うち6億8000万ドルは無利子で後払い」という契約は、インフレを考えるとリスクがあるという指摘です。
ちなみに、有利子での契約が可能かどうかで言えば、イチロー氏がマリナーズ時代に5.5%の有利子後払い契約を結んでいるので可能のはず。
もし大谷選手サイドもそれを承知の上での契約であって、「リスクがある」などという指摘は言われなくてもわかっている話でしょう。
インフレを考慮したら契約総額が減っていたかも
というか、有利子での後払いを求めた場合は、球団側の負担が大きくなるため契約総額が「10年5億ドル」くらいになっていたかもしれません。
それまでのスポーツ界の最高額がバルセロナ時代のメッシが4年5億5500万ユーロ(約860億円)、アメリカではNFLのカンザスシティ・チーフスのQB・マホームズが10年5億300万ドルだそうです。
それを大きく超えてインパクトを残すほうを双方が選択した可能性もあります。
総額では大谷選手がトップですが、メッシは4年ですから1年あたりで見たらえげつない額ですけれど…
自分で運用した方がお得?
「インフレリスク」を考えるならば、後払いではなく毎年貰ってそれを運用するほうがいい、との考えになるんでしょうか。フィナンシャルプランナーであればなおさら。
1年あたり7000万ドルともなれば、富裕層向けの運用サービスが使えるでしょうし。
ただお金を持っていると、投資を持ちかけてくる人などの面倒な人が寄ってくる問題もあります。
大金を得たスポーツ選手が引退後に自己破産するケースは多い現実があり、その理由には投資話にのってしまったことがあります。
安定した投資をするにしてもその行方が気になってしまうならば、現役時代は邪魔なノイズになりかねません。
大谷選手は、プレイに集中するために必要なこと以外はできるだけ考えないで済む環境を選んだ結果でもあるかと。
「インフレリスク」自体はあるにせよ、それで将来の生活に支障が出るような話ではありませんからね。(副収入のほうがえげつない)