日本人は平均約3273万円の財産を残して亡くなる?
日本人は、平均約3273万円の財産を残して亡くなるそうです。人生の莫大な時間を費やして稼いだお金を使わない実態から“死ぬ時が一番お金持ち”という皮肉さえ聞かれます。
最初に日本人の遺産相続額が平均約3273万円もあるというデータが示されてちょっとビックリ。
そこでそのデータの基となるMUFG資産形成研究所の「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査(pdf)」をチェックしてみたところ、調査対象が「50代・60代の男女(相続経験者 かつ 各都道府県の家計資産額以上保有者)」となっています。
この「各都道府県の家計資産額」の基準額は、、最も低い青森県で1700万円、最も高い東京都は6100万円となっており、それ以上なのだから平均が約3273万円なのも当たり前のこと。
さらにこの相続額には不動産も含んでいて、その割合は5割弱だそうです。
なので、この数字をもってして「日本人は~」と言うのは主語がデカすぎですね。
中央値は1600万円
また、平均が約3273万円なのに対し、中央値は1600万円となっています。
中央値が1600万円でそのうちの半分が不動産だとすると、金融資産としては800万円ほど。
親から遺産相続した人の回答ですから、きょうだいが何人いるかによっても変わりますが、仮に2人きょうだいで分けたとしても合わせて3200万円。
相続税の基礎控除額は「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」ですから、これでも相続税がかからない範囲になりますね。
相続人が1人であっても、平均の約3273万円なら相続税がかかりません。
これくらいは「子どもに遺してあげたい」範囲であって、どうしても「死ぬまでに使っておきたい」ほどではないのかも。
お金は「使いたい時に使える」とは限らない
もちろん「死ぬ時が一番お金持ち」になるのはちょっともったいない気にはなりますし、お金は「使いたい時に使える」とは限らないのも事実。
周りの人や世間の話を聞いて「もっと貯めなければ」となるのは避けた方がいいでしょう。
でも「子どもに遺す」もまたお金の使い方の一つだと思います。
逆に言うと、遺す子どもがいない未婚や子どもがいない世帯は、「使いたい時に使っておく」を強く意識すべきでしょう。
物価高騰が続くご時世では、使うことに不安を感じてしまいますけどね…