「雇用セーフティネット」崩壊寸前
新型コロナウイルスの感染拡大によって、「雇用のセーフティネット」が破綻した。その修復のため、厚生労働省は雇用保険料の引き上げを、政府は緊急時に国費を投入する仕組みの恒久化を検討している。
民間が運営する保険なら、「保険料(掛け金)<保険の支払い」になった時は破綻と言ってもいいでしょう。
と言っても、民間の保険会社もその万が一の場合に備えて再保険をかけておくものです。
国が運営する保険である雇用保険は、その再保険の役割を国が担うと考えると、破綻させずに継続できるはず。
つまり国費の投入するしかありませんね。
国費投入といってもあくまで貸出
ただ記事のグラフにもあるように、新型コロナの前までは雇用情勢が改善されていたため積立金が1.5兆円を超えるほどになっていました。
コロナ禍のような緊急事態のために積み立てていたものだし、今回それを出し惜しみせずに使ったのは良かったと思います。
ちなみに前回大きく減らしたのはリーマン・ショック時の2008年度から2009年度にかけてで、1兆円超の積立金が半分になっています。
その際には保険料率を0.3%から0.35%に引き上げているわけで、今回も同様の措置を取ることになるのでしょう。
ただ、国費の投入といってもあくまで貸出。いずれコロナ禍が終わればまた積立金が増えていくので返金されるはず。
返金が終わるまで保険料率を引き上げでいいのではないかと。
フリーランスを使う会社に負担を求めては
コロナ禍の休業補償として、雇用調整助成金からフリーランスで働く一部の方への支援が行われました。
雇用調整助成金に使われる雇用安定資金の財源はサラリーマンが支払う雇用保険料ではなく、事業者が支払っているのでフリーランスへの休業補償自体は問題なし。
一方、従業員が多い会社ほど保険料が増える仕組みなので、フリーランスを多く使っている会社は負担が少ない。
フリーランスを使っている事業者(例えばUber Eats)に対して、より多くの保険料負担を求める仕組みに変えてもいいんじゃないかな?
そういう仕組にしないと、保険料負担が増えると直接雇用を減らしてフリーランスに切り替える動機になってしまいますから。