「もう買いたいモノがない」
そもそも、お金をもらっても消費しないで貯蓄する人が多いのだ。給付金だけでなく、ボーナスの主な使い先は貯蓄だし、前回の特別定額給付金もそれに多く回ったと言われている。現金ではダメでクーポンならいいという話ではなく、われわれに「お金を出して買いたいモノ」がないのが、根本の問題でないのか。
10万円の特別定額給付金があまり消費に回らなかったのは、「モノ消費」から「コト消費」へとシフトしていることも影響していると思うんですけどね。
その「コト消費」はコロナ禍でできなくなったので、新型コロナが落ち着いてから使おうと取っておいたという説です。
「買いたいコト(サービス)はあるけど、買いたいモノはない」という意味になります。
低欲望化は日本に限らず
低欲望化は今に始まったことではなく、欲がない「さとり世代(1987~2004年生まれ)」が話題になったのは2013年です。
ただ低欲望化は日本に限った話ではなく、成熟した国で見られる傾向です。モノを買わないという点はまさにミニマリストですし。
日本の場合は非正規雇用の割合が高い若い世代の収入が伸びない上に社会保険料負担の増加で可処分所得が減ったことで、より顕著に低欲望化しているのかもしれません。
いわゆる「お金の若者離れ」ですね。
「不安」で消費できなくなってないか?
特別定額給付金が消費に回らなかった原因としてもう一つ考えられるのが「不安」です。
将来への不安、老後の不安などから、守りに入ってしまうと。
「FIRE」だって早期退職という部分だけを捉えるとリスクのあることですが、資産を築いての経済的な独立はつまらない労働から逃れる自由を得るだけではなく、お金の不安・老後の不安も解消してくれます。
つまり、求めるものが「モノ」から「自由」と「安心」へとシフトしているのではないかと。
雇用が不安定だったり老後のお金の不安を煽りすぎた結果だと思いますがね。