定年後の独立開業で「ひよこ食い商法」の餌食
「人生100年時代」、定年後に資格や経験を活かして独立・起業することは、多くの人にとって魅力的な選択肢です。しかし、その希望に満ちた船出のすぐ先には、経験の浅い起業家が陥りがちな数多くの罠が待ち受けています。
定年後は独立・起業で第二の人生を、というのは夢のある話ではあるものの、現実はそう甘くないもの。
成功した人の話だけを見るのは「生存者バイアス」がかかっていることを忘れてはなりません。
この記事では失敗の一つとして、知識の少ない起業初心者に売りつけてくる「ひよこ食い商法」を取り上げています。
そそそも「万全の老後計画」なのか?
中難易度の国家資格を取って退職と同時に65歳で独立開業し、年金は繰り下げ。
一見は「万全の老後計画」に見えますが、そもそもすぐに仕事が軌道に乗るというのは甘い考えや過ぎないかと。
「各種許認可の申請代行業務」「遺言書や遺産分割協議書の作成支援」という業務内容から、おそらく行政書士ですよねぇ。
需要が高くて仕事の依頼がある分野ならともかく、実績のない人が仕事を安定させるまでには時間がかかるもの。
行政書士ができる業務は、税理士・司法書士・弁護士もできるという(上位互換)事実のありますし。
だからこそ「ひよこ食い商法」に漬け込まれやすいわけですが、最初から万全の計画だったとは思えません。
せめて仕事を回してもらえるツテがあるとかならわかるんですが。
生活が回るまで3年は覚悟が必要?
Yahoo!知恵袋に「行政書士で開業した場合、年収400万くらいいけそうでしょうか」という質問をしている人がいました。
自宅開業して人は雇わず1人でのんびり働きたい…セミリタイア・サイドFIRE的な生活を希望している方かもしれませんね。
ただそれに対する回答(ベストアンサー)は、かなり厳しいもの、
「生活が回るまで3年は覚悟しないといけない」「3年無収入でも生きていける貯金が必要」と。
独立開業のリスクについて、現場をよく知る人の回答だと思います。
元記事の元総務部長も、独立開業の前にYahoo!知恵袋に相談していれば、「ひよこ食い商法」の餌食になることもなかったのかな…