現代社会の闇が「大人のイジメ」を加速させている?
「大人のイジメはなくなりません。むしろ、残虐性が増す環境が醸成されています」と断言するのは、社会学者の宮台真司氏だ。その背景について次のように解説する。
「日本社会は’70~’90年代にかけて、地域社会の崩壊と、家族の空洞化が進行します。それで“世間”が失われ、自分と普段の友人以外はただの“風景”だという感覚がすり込まれたのです。その象徴が、電車内での化粧や、街頭での地べた座りでした」
神戸市立東須磨小学校の教師が教師に対して「いじめ」というレベルを超えた暴行・器物破損をしていた事件は流石に驚かされました。
それを主導していたのが「女帝」と呼ばれるような女性教員だったこともさらに驚きでした。
ただ、パワハラを含めた大人のイジメは昔からあり、むしろ昔の方が酷かったと思います。
自衛隊でも酷いイジメが…
同じ公務員のいじめ事件と言えば、自衛隊・たちかぜ自衛官いじめ自殺事件が思い出されます。
その裁判の中で、「いじめは艦内では日常茶飯事、常習的で、本件は氷山の一角」などと認定されました。
しかしこのようないじめは旧日本軍の方がもっと酷かったと言われてます。地域社会が根強く、家族の結びつきが強かった戦前の話です。
今も昔も、「大人のイジメ」はあったし、残虐性も高かったと思うわけです。
それが可視化されて表になるようになったのが最近というだけで。子どものいじめも同様ですけれど。
「逃げられない」環境はイジメを深刻化させる
学校のいじめ同様、護衛艦のような狭い空間で逃げられない場合はいじめが深刻化してしまいます。
そもそも、公務員というのは一度なったら辞めることに躊躇しがち。ブラック企業のパワハラも、就活で苦労してやっと入った企業だと辞める決断ができずに深刻化することもあります。
「逃げられない」環境がいじめを深刻化させるのに、日本では大人も子どもも逃げにくい環境があり、さらには「逃げてはいけない」と教えられたり。
逃げられない環境のままでは、これからも「大人のイジメ」はなくならないし、残虐性も高いままでしょうね。