フランシスコ教皇が「ベーシックインカム」の導入検討を提言
フランシスコ教皇は、キリスト教において重要な復活祭の日だった4月12日に、「主立った社会運動や組織の兄弟姉妹たちへ」という書簡を発表。その中で教皇は、「今こそ、ユニバーサルベーシックインカムを検討すべき時かもしれません。これは、『権利のない労働者など存在しない』という人間的でキリスト教的な理想を現実のものにすることでもあります」と述べました。
ユニバーサルベーシックインカムは、人間的でキリスト教的な理想に近づくものということですか。
フランシスコ教皇は今回のコロナショックを「偶像崇拝的な拝金主義に終止符を打つ」機会と捉えているようですね。
「アフターコロナ」の社会の在り方に対して、一つの指針になる発言ですが、当然「(継続的には)無理」という反発の声も出るでしょうね。
「監視社会」になるかもしれない
しかし、ベーシックインカムはある意味全体主義的な政策です。また、国民の資産を把握する「監視社会」になるかもしれません。
ドイツなどは休業補償としてスピーディに現金給付をしていますが、これは個人番号が行き渡っているのがその理由です。
その人の納税情報(=収入)がしっかり把握されているわけですね。
日本で迅速な現金給付をするなら、マイナンバーカードの活用が必要になります。現在はまだ活用できてないのでできませんけどね。
今回のことをきっかけに、マイナンバーカードの活用が一気に進むかもしません。
ちょうどマイナンバーカードを使ったマイナポイントも始まりますし。
所得把握から資産把握へと進む?
マイナンバーカードの普及・活用には、昔から「国民総背番号制」という言葉がよく批判的に使われます。
主に左派系の人たちが、政府による管理社会・監視社会をイメージする言葉として使ってきました。
所得把握をされて困る人も、やはり批判的です。いやちゃんと納税してないんかいって話ですけど。
さらに金融機関の口座とマイナンバーを結びつけ、資産把握へと進もうとしています。
今の日本の税制では預金の利子や株式の配当の所得は分離課税方式をとっていますが、アメリカ同様に事業所得や給与所得と合算する総合課税方式になるかもしれません。
さらには資産課税の可能性もあります。ベーシックインカムの財源という意味では、狙い所ではあるんですよね。
アフターコロナは、様々な変化が起こると思いますが、税制も大きく変わるかもしれません。