「老後破産」「下流老人」はメディアの偏向報道
「老後破産」「下流老人」など、高齢者の将来には、何かとネガティブなイメージがついてまわります。でも、年をとればとるほど本当に生活は困窮していくのでしょうか?
記事では電通総研がまとめた「高齢者のライフスタイルと消費・働き方」から、高齢者が生活水準で「生活困窮・普通生活・富裕」の3つに分けられるとしています。
元の資料は内閣府の税制調査会(2015年8月20日)に出された資料の一つで、その日は高齢者を中心に議論されていたようです。
問題の部分は資料「高齢者のライフスタイルと消費・働き方(pdf)」の31ページ目の「高齢者生活水準分布(仮説)」であり、あくまで仮説。
70代・2人以上世帯で金融資産3000万円以上の世帯が20%以上いる一方で、高齢者世帯の生活保護対象世帯は2.92%(当時)という点から、「生活困窮」10~20%・「普通生活」70~80%・「富裕」10~20%という比率(仮説)は割りと当たってそう。
70~80%はそれなりの「普通生活」
余裕はないが困窮もしていない高齢者の70~80%を「普通生活」として一括りにしていますが、その中でもかなり差があるはず。
ただ家計調査の平均の「年金と金融資産の取り崩しで生活」している人ばかりではなく、「平均以上の年金でほどほどの生活」の人もいれば「平均以下の少ない年金だけでそれなりに生活」の人、あるいは「年金だけでは足りないから働いて普通に生活」の人もいると考えられます。
みんなが金融資産の取り崩しをしていたら、8年経過した今ごろは貯金が少なかった世帯は困窮して「老後破産」する人が続出しているはずですから。
ただし、私が70代になる15~25年後には年金水準も下がり、「生活困窮」の高齢者の比率が増えそうです。
未婚や離別で独身のまま高齢者になる人が増えていくと予想されますし、「普通生活」でもギリギリの人が多くなりそうですね。