「物の豊かさ」か「心の豊かさ」か
内閣府の「国民生活に関する世論調査」で「これからは心の豊かさか、まだまだ物の豊かさか」と聞いた質問の結果を基にした記事です。
2007年の調査では男女・年代に関わらず「心の豊かさ」が「物の豊かさ」を上回っているのに、2023年になると20代~40代では「物の豊かさ」の方が上という結果です。
世間で言われる「若者はモノ消費からコト消費へ」とは全く逆になってますね。
お金か健康か
かつて高度経済成長期を経て日本が豊かになった頃、「経済的・物質的な豊かさから精神的・心の豊かさを求めるべきだ」という言葉が聞かれるようになりました。
これをそのまま前者をモノ消費、後者をコト消費に当てはめるのは違うのでしょうね。
コト消費だって経済的な豊かさがあってできることですから。
消費者庁の『平成29年版消費者白書』において「豊かな暮らしに最も重要だと思うこと」という質問に対し、若年層はお金が多く、年齢が上がるほど健康が増えていってます。
「物の豊かさ」というとモノ消費のみに見えますから、「お金・消費」か「健康・心の安寧」かの二択にした方が良かったのでは。
とは言え、2007年から若年層の意識が変化しているのは、使えるお金が減っているのが原因であることは間違いなく、これが最大の政治課題なのは間違いないですね。
「手取りを増やす」はわかりやすいメッセージ
今回の衆議院議員選挙において、国民民主党が大躍進した要因の一つは、「手取りを増やす」というキャッチコピーがわかりやすく刺さったことでしょう。
若者の収入を増やすことは少子化対策に最も必要だとずっと言われてきたことですから、経済対策だけでもないのですよね。
ただ税収減や社会保険料収入減になるため、財務省や厚労省は嫌がる可能性もあります。
古くからのことわざ「衣食足りて礼節を知る」のように、心の豊かさは一定の経済的豊かさがあった上でのこと。
日本が貧しくなったという意味にもなりますが…