平成は「夫婦が失われた時代」か?
男性の生涯未婚率は1985年が3.9%、1990年が5.6%で、2015年は23.4%(確定値)、2020年の予想は25%を超えていると見られています。
平成の間に男性の生涯未婚率は5%→25%へと増えたと言っていいでしょう。
これに、離婚して独身に戻った人も加えると、独身の比率がもっと高いと思われます。
生涯未婚率は45~55歳の未婚率を集計したものですから、もちろん私もその中に入っています。
生涯未婚率上昇の原因の半分は自然現象
未婚化・晩婚化の原因と言えば、「男女雇用機会均等法」施行によって女性が仕事を持って自立したことや、「非正規雇用の増加」、「男性の草食化」など言われていますが、男性の生涯未婚率の上昇はそれより大きな要因があります。
男性の生涯未婚率は1990年から一気に増えているわけですが、1986年施行の「男女雇用機会均等法」が45~55歳の未婚率に影響を与えるわけがありません。
非正規雇用の増加など、バブル崩壊の影響は1990年代に入ってからのことです。
この理由は、出生時の男女比は概ね106対100という男余りになる自然現象によるものと考えるべきでしょう。
医療が発達していない時代は男の子の方が幼児死亡率が高く、バランスが取れていたのですが、死亡率の低下によって男余りになりました。
男性と女性でほぼ10ポイントくらいの未婚率の差があるうち、少なくとも半分は自然現象によるものです。
1985年までは男女の生涯未婚率が逆になっていましたが、これは戦争で若い男性が多く亡くなった影響かな。
2005年以降の生涯未婚率上昇は自立によるもの
女性の生涯未婚率は2005年くらいから上昇がペースが上がっていますが、これは「男女雇用機会均等法」などの影響と見ていいでしょう。
ちなみに、「婚活」という言葉がメディアに登場したのは2007年からだそうです。
「婚活」自体はずっと昔からお見合いなどでやっていたことですが、2000年代に入ってから結婚観や家族間の変化についてメディアで語られることが多くなったのかな。
男余りになっていることはずっと前から言われていたことだし、結婚して妻が専業主婦になる前提で作られた様々な国の制度は早く変えるべきでしたね。