新型コロナは「脱はんこ」のチャンス
新型コロナウイルスの感染防止策として政府が民間企業に要請した在宅勤務(テレワーク)で「はんこ文化」が壁になっている。自民党は、行政手続きでの押印省略や電子署名への置き換えが可能になるよう、規制改革を安倍晋三首相に要請。政府の規制改革推進会議(小林喜光議長)は十三日、対面や書面が必要だったこれまでの仕組みの見直しを議論すると確認した。コロナ禍を機に「脱はんこ」を含めたデジタル化の動きが加速するだろうか―。
在宅勤務になったのに「押印のためだけに出社」なんて話が聞こえてくるので、政府は掛け声だけでも「もうはんこは無くします」と言うべきですね。
「押印は法律上の義務ではないが、多くの自治体が書類の信頼性を担保するために必要だと判断」
と記事にかかれているように、押印を求める理由が「念の為」だから笑えません。それが三文判の認印でも良かったりするし。
商法第32条には「署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる」と書かれているように、署名していれば押印は必要ないんですけどねぇ。
もちろん、一部の自治体は「自署の場合は押印不要」に切り替えてはじめています。それをもっと進めるチャンスですね。
キャッシュレス決済の伝票にシャチハタを押す謎作業
ただ、民間の印鑑を減らすのには時間がかかるとは思います。
政府ができるのは、「印鑑証明」という制度を辞めることだと思いますが、すぐにはできませんからねぇ。
それに、旗振りをすべきIT担当相が「ハンコ議連」の会長ですし…
もちろん民間でも謎の押印作業を見かけます。
その一つがキャッシュレス決済をした際に、専用単発から出てきた青色の伝票に店員がシャチハタを押す作業です。
スピーディーに進めるべきキャッシュレス決済が、現金よりも時間がかかってしまってたり。
レジに後付でキャッシュレス決済端末を付けた場合には、時間がかかりますしねぇ。本末転倒でもったいない。
セキュリティ面で考えると、3Dプリンタの登場で印鑑の偽造がしやすくなってしまいました。
「偽造が難しいもの」という認識はもう過去のものとしなければなりません。
印鑑が使われなくなったら、開運できなくなる?
印鑑が使われなくなったら、困るのは印鑑業界の人と、開運のために高い印鑑を買ったのに押印する機会を失う人、かな?
「人生の重要な分岐点で捺すもの」だから開運・吉相の印鑑を買いましょう、だったのに、捺さなくなるわけですから。
でも、そう言って今でも象牙の印鑑が良いと勧めている業者も少なからずいるので、早く印鑑を辞めるべきだと思っていますが。
印鑑に代わり署名が使われるようになったら、万年筆業界にチャンスがあるのかも?