新型コロナで「低欲望社会」加速
新型コロナウイルス禍は、いまだ終息の兆しが見えない。日本経済も世界経済も甚大なダメージを受け、新社会人や新入生は出鼻をくじかれて不安だらけの船出となった。このままでは、かねて私が指摘している、世界に類のない日本の「低欲望社会」が、さらに加速する事態も懸念される。
「低欲望社会」の最大の要因は、若い世代の給料が低いため使うお金が少ないことと、収入増が望めないから将来不安からさらに使えなくなるという悪循環があります。
新型コロナで失業率が上昇し、そのしわ寄せが若い世代にいってしまうと、「低欲望社会」は加速しないまでも続くのは間違いないでしょう。
ミニマリスト=低欲望なのか?
その一方で、かつての若い世代(今の中高年~高齢者)が欲していたものを求めなくなった、いわゆる「若者の○○離れ」を、低欲望になったと勘違いしがちです。
欲望がかつて人気だったモノやサービス・娯楽に向かなくなっただけで、別のモノ・サービス・娯楽に向いている面もあるんですよね。
CDを買わず定額音楽サービスにするのは、CDをたくさん買うよりは払うお金は安くなるかもしれません。
それを「低欲望」と言うべきなのかどうか。これは欲望を実現する形が変わったに過ぎません。
ネットのサービスを利用する人が増えても、マスコミが「社会現象」などと取り上げたがる行列を目にすることはありません。
記事中では日本が「低欲望社会」になることを、「1億総ミニマリスト」という表現で懸念されていますが、ちょっと違うような。
もちろん、ミニマリストはモノを持たないという点で低欲望な側面があります。
ミニマリストは服やアクセサリーなどをたくさん買って、虚栄心を満たすようなことはしないので、その点では低欲望だと思います。
でもモノを持たずに済むサービスを受けることには欲望を持ってもミニマリストなわけですから。
今は低炭素社会の実験中
「低欲望社会」も悪いことばかりではないのは、「低炭素社会」になることがあります。。
今は原油価格が暴落中ですが、生産活動(工場の稼働)が減っているだけでなく、人の移動が激減したことも大きいはず。
「低炭素社会」が環境にどのような影響を及ぼすのか、あるいは大差がないのか、今は大いなる実験中ですかね。
大都市のオフィス・店舗の稼働が減ると、ヒートアイランド現象が起きずに、平均気温が下がるかもしれませんね。
ということで、今年の夏は新型コロナの感染が一段落していたとしても、徹底的にリモートワーク推奨してみてはどうでしょう。
自宅の電気代が高くなってしまう心配はあると思いますけど…