老後=お金の問題ではない
バリバリのキャリアウーマンで、子どもの頃から憧れの存在だった伯母さんが突如“孤独死”したことを知らされる──。そんなちょっと衝撃的なシーンで幕を開けるのが、30代独身女性の終活をテーマにしたカレー沢薫さんの漫画『ひとりでしにたい』です。
『ひとりでしにたい』はCOMIC DAYSで2話までと更新分は無料で読めます。
日本のマンガはマイナーな部活だったり職業だったりを取り上げたり、社会問題を伝える作品が結構あるので、「孤独死」をテーマにした作品が生まれるのも当然のこと。
生涯未婚率は男性が4人に1人、女性は7人に1人の割合なので、「孤独死」が他人事ではない人がそれだけいるわけですし。
結婚さえすれば「孤独死」しないかというと、女性は先立たれて一人になる可能性が高いし、子どもがいれば大丈夫とも言えません。
同居の家族がいても孤独死するかもしれませんから…
「お金さえあれば」と思わなくなった
作者は孤独死について調べるうちに「お金さえあれば一人でもいいや」と思わなくなったといい、かといって「恋愛や結婚をすることで老後も安泰、という話にしようとは決して思ってない」と。
もちろん、お金があった方が選択肢が増えるし、迷惑をかける心配は減ります。結婚をして子どもがいればなんとかなる可能性が増えるのも間違いありません。
ただ、それが決め手になる保証はない、というのがこの作品のベースなのだと思います。
大事なのは「コミュニケーション」「お金」「知識」のバランス
「老後に大事なのは『コミュニケーション』『お金』『知識』のバランス」という言葉は同感でした。
自分の老後の前に、親の介護をすることになるのかどうなるのか、親とのコミュニケーションを取れてないのは頭の痛い問題ですが。
「老後2000万円問題」のせいで、お金の問題ばかりがクローズアップされがちです。
しかし老後の問題はお金だけじゃない、と考えるきっかけになればいいんじゃないでしょうかね。