「少子高齢化でも年金は崩壊しない」データ
専門家の中にも「少子高齢化が進むと、年金の担い手が減り、年金制度が崩壊する」という人がいますが、それはどんな数字に裏打ちされた仮説なのでしょうか。経済コラムニストの大江英樹氏は「これは65歳以上か65歳未満かという単に年齢で切っただけの数字で、あまり意味がない」といいます――。
なるほど。
「高齢者/現役世代」で考えると、逆三角形のようになってどんどん先細っている人口ピラミッドを見ると年金制度は持たないように見えます。
しかし「非就業者/就業者」で考えると、昔と比べると女性の就業率が上がっているし高齢者で働いている人もいるので安定していると。
厚労省が「モデル世代」にしていたように専業主婦の家庭が多かった昭和の時代と、共働きが増えた今とで単純比較しても意味がないのは事実ですね。
ただし、年金受給者は増えている
ただ「非就業者/就業者」のうち、昔の非就業者は専業主婦や子どもが多かったのに対し、今は高齢者(=年金受給者)の割合が増えているはず。
つまり「高齢者/就業者」で考えると、どんどん厳しい状況になっているし、今度もそれが続いていきます。
逆に言うと就業者の数が増えるような環境を整える、さらに就業者の賃金が増えていけば、年金財政は改善されます。
まぁ現実としては年金の崩壊はしないけど、年金受給額が減っていくのは覚悟しておいた方がいいですね…
介護の方が心配
高齢者の中でも年代的に人数が多い団塊の世代は、70代に入っています。
今後この世代が要介護状態になるとすると、介護保険財政や介護の人手不足が心配になります。
親の介護のために離職する人が増えると、年金財政にも影響しますからダブルで効いてきますね。
この先の10年から30年(2030年から2050年)はとても厳しい時代になるかもしれません。
ロボットの開発が間に合えばなんとかなるでしょうか…