日本人は老後資金には神経質にならなくていい?
どれほど健康で元気な人でも、一度は考えるのが老後のお金について。将来が心配だから、とお金を貯めたくなる気持ちはわかりますが、一方で節約しすぎると人生を全力で楽しめないという側面もあります。そこで、ファイナンシャルプランナーとして活躍し、人生を豊かにするお金の使い方を提唱する井戸美枝さんに、後悔しない人生を送るための心構えを伺いました。
「DIE WITH ZERO」の受け止め方は、年金制度が充実してる日本は違うものになる、というのはその通りだと思います。
とは言え、その年金制度への信頼が揺らいでるからこそ、将来が心配になりお金の不安が尽きなくなっているのではないかと。
多くの人が抱える年金に対する不安は漠然としたものでありますが、将来のことはわかりませんからね。
際限なく膨らむ不安
不安にとらわれながら生きる人生はつまらなくもったいない、というのはまさにその通りだと思いますが、不安というのは簡単に払拭できないから難しい。
むしろ不安というものは膨らみだすと際限なく膨らんでしまうもので、老後でも「貯金が減ると不安」や「お金がいくらっても安心できない」に陥るケースもあります。
逆にめちゃくちゃ楽観的で「なんとかなるやろ」というタイプの人もいるんですけどね。
シミュレーションで不安増大しないか?
老後のシミュレーションをしてみるのはとても良いことだと思う反面、それで不安の種が増えないかという心配もあります。
不安になりやすい人が、「もしも~になったら」を考えて不安を掘り起こしてしまうと、それに備えるための準備(お金)が必要になるという悪循環です。
逆に「もしも65歳で死ぬとしたら」も考えると、長生きしてしまう不安にとらわれすぎるのがもったいないと気づくかもしれませんが。
実際にシミュレーションをする中で、自分にとって大切なもの・絶対に手放せないものは何かを再確認できるといいですね。
それを失う不安の払拭を優先すればいいわけで。
自分にとって大切なもの・絶対に手放せないものがはっきりしている人は、人生を豊かに生きられているのではないでしょうか。